一の湯 小川尊也 代表取締役社長
創業約400年の老舗旅館「一の湯」(神奈川県箱根町)は、コロナ禍においてチェーンストアマネジメントを軸に、DX(デジタルトランスフォーメーション)にチャレンジ。ノーコードのエッジプラットフォーム「Gravio(グラビオ)」とビジネスチャット「LINE WORKS」を武器に作業効率を高め、サービス品質向上に注力している。日本企業がDXを実現するため、経営者はどんな考え方をする必要があるのだろうか。一の湯の小川尊也社長と「Gravio」を提供するアステリアの平野洋一郎社長、「LINE WORKS」を提供するワークスモバイルジャパンの増田隆一社長に聞いた。
──老舗旅館とDXはあまりイメージできない組み合わせですが、どんな経緯で取り組まれたのでしょうか。
小川 一の湯は1630年に創業し、今年で393年を迎える温泉旅館です。現在は箱根に9施設の旅館を運営しており、チェーンストアマネジメントを経営の指標としています。1980年代から生産性を高める取り組みを行っていましたが、7年前に私が家業に戻ってきたときには、デジタル化は50%といった状況でした。お客さまを迎え入れた後のオペレーションを人海戦術に頼っていたのです。そこで、私の代になってから、DXを推進することになりました。
創業約400年の老舗旅館「一の湯」
──「Gravio」と「LINE WORKS」はどのように活用されているのでしょうか。