小川 手当たり次第にデジタル化することがDXではありません。私は、「作業」と「サービス」は全くの別物だと考えています。料理の下ごしらえをしたり配送したりするのは一連の作業です。その先、お客さまに料理を提供することはサービスです。

 この作業のところに関してはDXを推進して無駄をなくし、その分、サービスに注力することが重要です。人と人との触れ合いは、旅館のビジネスをする上では不可欠です。裏の作業はドライにしつつ、人のサービスはどんどんウエットにしようとしています。

増田 ITの専門家でなくても、「Gravio」のようなセンサーから手に入るデータをどう仕事に生かすのかが、DXを進める上で重要になってきます。

 ITといっても、今は無料だったり少額から始められたりするような時代になっています。スモールスタートで、取りあえず試してみれば良いと思います。

創業約400年の老舗旅館がノーコードでDX化にチャレンジ!ポストコロナ時代を見据えた新時代の経営とはワークスモバイルジャパン 増田隆一 代表取締役社長 

平野 現場の方々がITの専門家なしに業務のデジタル化や自動化を進めたいなら、ノーコードが必須です。業務を分かっている現場の人が仕組みを作れるようにする、というのが私たちの役割だと考えています。

 また、NDS症候群、「何かあったら誰が責任取るんだ」の頭文字ですけど、日本企業でよく見掛けますね。経営者は「何かあったら自分が責任を取る」と言い、現場がDXを推進しやすくすることが重要です。

──日本企業におけるDXは今後どうなっていくべきだとお考えですか。

平野 昔からいろいろな業種で3K(きつい・汚い・危険)といわれる仕事がありましたが、ここをITが支援することで改善すれば、楽しく働けるようになります。社員が楽しければお客さまも楽しいし、そして経営もうまくいく、ということにもつながると思います。

増田 DXをコスト削減とだけ考えると夢がありません。ユーザーに加えて、社員やパートナー企業の成功もないと、事業は成功しないのです。やはり、DXで自分たちの周りをどれだけ幸せにできるかが本来やるべきところだと思います。

小川 当社はチェーンストアマネジメントを行っていますが、全ては人の幸せのため、という判断基準で取り組んでいます。DXは、関わる人皆を幸せにするためにやる、というマインドが必要になると思います。

 200店舗まで増やしたいというビジョンを持っているので、さらに人材が必要になります。これから労働力人口が減っていく日本では、日本語が得意ではない海外の人材に働いてもらうことになるでしょう。そうなると、作業を単純化、標準化するためのツールが必要不可欠です。その取り組みの中で、「Gravio」や「LINE WORKS」といった使い勝手のいいツールを活用し、ビジョン達成に向けて精進していきたいと思っております。

▶箱根の旅館・ホテル 一の湯グループ
https://www.ichinoyu.co.jp/

▶LINE WORKS
https://line.worksmobile.com/jp/

▶Gravio
https://aismiley.co.jp/gravio/

●問い合わせ先
アステリア株式会社 グローバルGravio事業部
〒150-0012 東京都渋谷区広尾1丁目1番39号 恵比寿プライムスクエアタワー19F
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