第一生命保険(以下、第一生命)では、従来の保障に加え資産形成・承継領域への取り組みを強化する。今年1月には、独自コンテンツを発信するデジタルプラットフォームサービス「資産形成プラス」を開設、BaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)の仕組みを活用したネットバンクサービスもスタートした。
菊田徹也代表取締役社長
(取材時点:代表取締役専務執行役員、資産形成・承継事業ユニット担当)
第一生命が、従来の保障だけでなく、資産形成・承継領域への取り組み強化に踏み出した。その背景について、4月1日付で第一生命ホールディングスの代表取締役社長に就任したばかりの菊田徹也氏はこう語る。
「人生100年時代を迎え、また価値観が多様化する今、お客さまの日々の暮らしや人生を豊かにするために、これまで以上にさまざまな側面からお客さまに寄り添っていくことが重要になってきています」
第一生命グループでは、顧客のQOL(Quality of Life)向上に貢献するべく、保障、資産形成・承継、健康・医療、つながり・絆の四つの領域にフォーカスしている。
「足元では岸田政権から資産所得倍増プランが打ち出され、NISAやiDeCoなどの資産形成を後押しする政策の改革が予定されるなど、自助努力による資産形成や資産寿命の延伸が日本にとって最重要課題の一つになっています。このような状況の中、お客さまや家計に寄り添い続ける生命保険会社として、この領域に一段の力を入れていきたいと考えています」と菊田新社長。
具体的には、資産形成や資産運用ニーズに応えるためのコンサルティング機能の向上と、貯蓄性商品の提供機能やデジタル接点の拡充を進めている。
コンサルティング領域では、顧客本位かつ高度なアドバイス提供力を備えることが必要と考え、一部職層のスキル高度化を図る。プロダクト領域では、グループが持つ資産運用のノウハウを活用し、資産形成や資産寿命延伸に資する付加価値のあるプロダクトを提供する。そして多様化する顧客ニーズにスピーディーに対応するために、顧客接点・サービスの提供手段としてデジタル領域を強化していく。