プロジェクトのパートナーとしてGNUSを選んだ理由
radikoによるスマホアプリの全面リニューアルプロジェクトは、2020年に始動。従来、スマホアプリやウェブサイトの開発は、要件を定義して外部ベンダーに委託し、作成する流れだったが、このプロジェクトをきっかけとして内製化を進めることにした。
リスナーに最適なサービスを届けるには、自分たち自身で開発に深く携わり、関与していかなければならないと感じたからだ。
「とはいえ、自分たちだけでアプリを開発するのはハードルが高い。自分ごととして一緒になって取り組んでくれる優れたパートナーが不可欠でした」と帆苅氏は振り返る。
radikoがパートナーとして選んだのは、スマホアプリなどのデジタルプロダクト開発やDX(デジタルトランスフォーメーション)、新規事業開発などの支援を行うGNUS(ヌース)である。
「ビジネスを動かすプロダクトを。」という企業ミッションを掲げるGNUSは、単にアプリの機能やデザインを改善するだけでなく、それによってユーザーにどのような体験や価値を提供できるのか。さらには、価値の向上によって、ビジネスをどれだけ発展させられるのかを踏まえてコミットしてくれる。
しかもGNUSには、ビジネスコンサルタントからプロダクトマネジャー、エンジニア、UI/UXデザイナーまで、デジタルプロダクト開発に必要なスキル、経験、バックグラウンドを持った人材が豊富にいる。radikoはこれらの点を高く評価して、同社をプロジェクトのパートナーに選定した。
ビジネスを進めていく上で帆苅氏が驚いたのは、そのスピード感であったという。支援契約を結んだGNUSは、すぐさま必要なプロフェッショナルを集めて専門チームを編成。radikoからヒアリングした課題や構想を基に、短期間でコンセプトを実現し、実際に利用できるスマホアプリのプロトタイプを作り上げた。出来上がりのイメージを速やかに共有し、開発の方向性を定めていくためだ。
GNUSの執行役員でソリューション部門マネージングディレクターの三浦直也氏は「企画書やデザイン画を示すより、実際に動くものを作って見てもらった方が、プロジェクトは早く進みます。radikoの経営層の方々にも、何を創ろうとしているのかをすぐに理解していただけたので、意思決定がスピーディーになりました」と語る。
マネージングディレクター 三浦直也氏
プロダクト開発を通じて組織やビジネスを変革する
GNUSによるスピーディーな対応は、radiko側のプロジェクトチームが「アジャイル開発とは、こういうものか」と実感するきっかけにもなった。
アジャイル型とは、開発を小さな単位に分けて、設計、実装、テストなどを細かく繰り返し、素早く(=アジャイル)進める方式だ。以前は、開発を「設計」「実装」「テスト」と工程ごとに分け、一つずつ進捗し、上から下へ水が流れるように進めるウォーターフォール(滝)型が主流だった。
従来、radikoはシステムやアプリの開発をウォーターフォール型で行っていた。だが、リスナーに最適なアプリを開発するためには、素早く作って、検証し、作り直すというプロセスを何度も繰り返しながら完成度を高めるスタイルが合っている。
帆苅氏は、「今回のプロジェクトに限らず、今後の機能改善や新サービスの開発も視野に入れて、アジャイル開発の手法やマインドを社内に根付かせたいと考えていました。GNUSさんの要件定義したものをプロトタイプまで起こす早さには、本当に驚きました」と明かす。