丸の内よろずの子会社ウェルオンソリューションズが展開する家賃債務保証事業は、来日する外国人材の住まい探しを視野に入れている。具体的には、ASEAN諸国の金融機関の優良な顧客層、かつあらかじめ家賃債務保証を取得した入居希望者を不動産事業者(仲介・管理、家主)に紹介、入居後のサポート体制も構築して、入居者、不動産事業者双方に価値を提供する。
日本の生産年齢人口は、少子高齢化の進行に伴い急激に減少している。現在の経済規模を維持するためには、生産性の向上に加えて、高度な知識や技能を持つ外国人材(高度外国人材)に頼ることになると考えられる。
新たな顧客を開拓
丸の内よろずは、子会社Wellon Solutions(ウェルオンソリューションズ)と協働し、入居者にダイレクトにアプローチするウェブ対応の「ポータブル家賃保証(BtoCモデル)」の企業職域への導入を推進している。この家賃債務保証事業の10年程度の将来を見据え、就労や留学で来日する外国人材を有望な顧客層とする新たな事業展開を計画している。外国人材の受け入れで先行するといわれるドイツを例に取れば、2005年に移民政策を転換、高度外国人材の受け入れも積極化してきた結果、上図のように外国人比率が14%近くに達し、生産年齢人口の維持に寄与している。日本の場合、外国人比率はこれまで2%台のまま微増で推移、生産年齢人口の減少に歯止めがかからず、積極的な外国人材受け入れが急務となっている。かかる環境下、足元では政府の高度外国人材の受け入れ促進への取り組みが一段と積極化しており、今後は、IT技術者やマネジメント職に就く外国人材の増加が予測される。
(ウェルオンソリューションズ
経営企画部 部長)
田中一成執行役員
こうした中、彼らが日本で暮らすために不可欠な衣食住を見渡したとき、まず直面するのが不動産賃貸のミスマッチだ。
不動産賃貸のミスマッチとはどのようなことか。丸の内よろずの田中一成執行役員は、入居希望者側、不動産事業者(仲介・管理、家主)側双方の視点で次のように説明する。「入居希望者側は、経済的な基盤を有していても日本におけるクレジットヒストリーがなく、信用情報面で不利益を被る場合も少なくない。不動産事業者側はコミュニケーションの問題や生活習慣が異なることによる不安があり、物件提供に積極的でないケースも見られます。結果として、入居希望者が本来住みたい物件を借りることができなかったというミスマッチが生じているのです。将来を展望すれば、こうしたミスマッチの解消が入居希望者、不動産事業者双方のメリットにつながると考えています」。