新規入場者教育に動画を活用。教育コストを大幅削減
大林組は、PIP-Makerを「新規入場者教育」にも活用して大きな成果を上げている。新規入場者教育とは、基本的な知識の不足や慣れない作業環境などを原因とした労働災害を発生させないよう、各現場特有の状況、現場ルール、安全作業に必要な事項などについて作業の開始前に行う必須教育のことだ。
これまでは元請け社員や職長が作業員に紙と口頭で伝えることが多かったが、PIP-Makerで作成した動画に置き換えてからは、作業員が真剣に見るようになった、と高橋課長。見せる工夫も随所にある。例えば動画では冒頭に、「これは何分の動画です、と明示しています。8分の長さで目次に4章立てとあれば、1章が約2分だなということが分かるので集中して見てもらいやすくなる」。
アバターの効果も大きいという。「アバターがまばたきしているだけでも見ている方は引き込まれる。そういう見せる技術をPIP-Makerを通じて会得してきました」。
実は新規入場者教育の動画は使い回しが利かない。同じ現場は一つとしてないし、作業員が施工の途中から加わることもあるからだ。そのため作成された動画はすでに655本を超える。しかも、「来週には使いたい」「いや明日には欲しい」という超特急の依頼もある。
「そのため、ツールは簡単に扱えることが絶対条件です。しかも作る側が楽しくなければ仕事とはいえモチベーションが上がりません。PIP-Makerの場合は、新しい機能はすぐにメルマガなどで教えてもらえるし、使い方が直感的に理解できるので、デジタル世代の当課のスタッフ(以下、デジタルコンシェルジュ)は触りながら覚えたり、新しい機能や新しいアバターを試してみたり、楽しみながら作業をしています」(高橋課長)
アバターの声の自然さに対する評価も高い。“コンピューターなまり”の音声は集中を妨げるが、PIP-Makerのアバターの声は人間の声にごく近く、細かな調整もできるので、デジタルコンシェルジュは、「この場面ではこの子(アバター)の声が合う」といった研究もしているという。しかも、各スタッフが発見・習得した機能や技はデジタルコンシェルジュ間で共有しているので、ICT生産支援センターの技術全体が底上げされている。
デジタルの効果を数字で表すのは難しいが、
デジタルツールを活用してDXを発展させていく上で大切なことは何か。倉形課長は、「目的と手段の取り違えがないように社員に伝えること」を心掛けているという。
「デジタルツールを使う最大の理由は、効率化といった使い方の先にある目的を達成するためです。そこで、まず目的を伝達する。『それを達成するにはこのツールが便利だよ』と伝え、ツールを使うことが目的にならない工夫をしています。デジタル化はゴールではなく、手段なのです。そのことを当社だけでなく、大林グループ、そしてサプライチェーンを構成している協力会社の方々に認識していただき、デジタルリテラシーを底上げして全体で建設業を盛り上げていく、効率化していくことがゴールと捉えています」
その有力な手段となっているPIP-Maker。活躍・活用の場はまだまだ広がりそうだ。
※PIP-Makerの動画紹介はこちら
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