企業の急成長は、時に痛みを伴う。急速な規模の拡大に基幹システムの対応が追い付かず、成長に待ったをかけることも珍しくない。当然、成長に合わせてシステムを随時刷新していくためには、膨大なコストや時間、人財が必要となる。2005年に創業したマネジメントソリューションズ(略称:MSOL〈エムソル〉)は、まさにこの課題に直面した。上場前、100人程度だった社員数が、19年の東証1部(現・プライム)上場を経て、1000人規模にまで拡大していく途上においてMSOLを支えたのは、専門的なプログラミング言語を使わずにアプリケーション開発を行えるローコード開発ツール「GeneXus(ジェネクサス)」を用いた「戦略人財マネジメントシステム Hasol(ハーソル)」だった。
企業の成長に合わせてシステムを発展させる難しさ
企業が成長を続けるためには、各領域にまたがる基幹システムを成長に合わせて発展させていくことが不可欠だ。しかし、システム開発を継続的に行うためには膨大なコスト、時間、労力、専門人財が必要になる。また、多くの日本企業で常態化してきたシステム構築の外注先への丸投げは、アジャイルなシステム改変や機能追加の難しさという弊害を生み、企業の成長を阻害してきた。
こうした状況の改善に一石を投じるのが、様々な専門言語の知識を必要とせず、要件定義を的確に行うだけでAI(推論エンジン)が瞬時にアプリケーションとデータベースを作成することができるローコード開発ツール「GeneXus(ジェネクサス)」だ。
2005年に創業したマネジメントソリューションズ(以下、MSOL)は、大規模企業のプロジェクト実行を支援する「PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)」を主事業として、急成長を遂げた。この成長の過程で同社が独自に構築した「戦略人財マネジメントシステムHasol(ハーソル)」において、ローコード開発ツールのジェネクサスが活用された。
次ページからは、MSOLがその急激な成長の中で、ハーソルをいかに構築し発展させていったのか、そしてその開発においてジェネクサスがどのように活用されたかについてお伝えしていく。