ハーバード流
対話形式の授業を導入
芝国際の授業は、従来の日本の授業とは異なるアプローチも行っている。知識を得るだけではなく、その知識を生かしてどう行動するかを授業のゴールとしている。具体的には、最初に広く知識をインプットした上で、ハーバード大学の「白熱教室」で行われている対話形式のメソッドを採用、課題解決のトレーニングを実施している。
「例えば、電力逼迫の状況を踏まえて“雷は究極のクリーンエネルギーになるか?”というゴールを設定します。気候変動や電気の知識を学んでから、実際にエネルギーとして使用できるかどうか、過去の事例をケースメソッドで検証し、グループディスカッションを行います。最終的に意見が分かれても、それぞれが根拠ある理由を示せることが大事。中高一貫の6年間で、実社会に通じる発想力と解決力を身に付けてもらうのが狙いです」(山崎校長)
もう一つの特色ある授業は、スーパーティーチャーを招いてのSTEAM教育だ。例えば、科学とロボット教育の第一人者である北原達正氏による授業や、国内の中高教育では珍しいAIバイリンガル教育を先導する石角友愛(いしずみともえ)氏による授業が行われる。その中では、観測機の打ち上げにもチャレンジし、データサイエンスを習得して未来を予測する。
さらに力を入れるのが、アントレプレナーシップ(起業家精神)教育だ。早い段階から、クリティカルシンキング、デザインシンキングを活用して課題を解決する過程を体験する。高校からはマーケティングを学びながら「起業」を目指す。もちろん全員が起業まで行き着けるわけではないが、ゼロからイチを創ること、「会社も創ることもできる」ということを知って大人になることは、不確実な時代だからこそ意味は大きい。
確かな学力を養成するための学習支援体制にも特色がある。その一つがチェック&フォロー体制。「分かったつもり」と「実際にできる」を峻別(しゅんべつ)する学習システムだ。週3回、授業前に英数国のチェックテストを行い、翌日の終礼時にそのフォローを行う。チェックテストはパソコンを使用するため、すぐに採点が出て定着度を把握できる。復習動画もそこで配信されるため、弱点を置き去りにせず前に進むことができる。