行動目標に三つのC「変化・挑戦・社会貢献」を掲げ、学校内にとどまらない教育を展開。私立学校ならではの柔軟性を武器に、独自の「仕掛け」で生徒の可能性を大きく広げている。基本にあるのは「スチューデントベース」だ。
青稜中学校・高等学校
青田泰明校長
青田泰明校長
「子どもたちに社会とのつながりをどう意識付けるか、それが最近のテーマです」
私立学校の柔軟さを生かした画期的な取り組みで注目を集める、青稜の青田泰明校長はそう話す。同校には中学2、3年生を対象にした異学年合同の「青稜ゼミ」がある。毎年14講座が用意され、教科教育の枠を超えた多様なテーマを少人数で学んでいく。
2022年度、青田校長自らが担当する「2030~未来への挑戦~」のSDGsのゼミでは、産学連携の取り組みを行った。宅配ミールキットを提供するオイシックス・ラ・大地と共同で、フードロス食材を利用したアップサイクル商品を開発。生徒が素材を選びレシピを考え、名称やパッケージデザインまで考案し、実際に3種類の商品が発売された。またメルカリとのコラボでは、メルカリショップスで規格外の野菜を売るアイデアを生徒たちが出し合い、実際に販売した。
「生徒たちは自分たちの発言やアイデアが大人に拒絶されず、受け止められてきちんと評価されるという経験をしました。自分たちがアウトプットするクリエーティビティーが、社会的価値として認められる。学生時代にその経験を積むことで、社会とのつながりを意識し、社会でチャレンジするモチベーションを高めてくれると信じています」(青田校長)
青稜ゼミでは、ディスカッションやプレゼンテーションの機会が多いため、思考力や読解力、表現力などの非認知能力を育成するという効果もある。