生徒に寄り添う
「スチューデントベース」
開放感のある校舎。「スチューデントベース」の教育が繰り広げられている
青稜では、「CHANGE(変化)」「CHALLENGE(挑戦)」「CONTRIBUTION(社会貢献)」の「3C(トリプルC)」を行動目標としている。学校生活のあらゆる活動において、変化を恐れず、挑戦を楽しみ、自分以外の誰かを思う。その目標を支えるのが、青田校長が大切にしている「スチューデントベース」という考え方だ。生徒の意思を無条件に認めるスチューデントファーストではなく、生徒を基本に考え、寄り添っていくという姿勢である。
ジェンダーバイアスをなくす試みの一つ。男性用スキンケア商品の自販機を設置
同校では、これまで数々のユニークな取り組みを行ってきた。生徒の意見で髪形の校則を見直し、校内の自動販売機でメンズビオレを販売、女子トイレには無償で生理用ナプキンを常備し、使用電力を太陽光発電に切り替え、食べたアイスのプラごみを箸として再生、修学旅行ではアウシュビッツ収容所を見学する(希望制)。
これらは、スチューデントベースに基づいて、固定観念を覆していく試みだ。時代が変われば校則が変わるのは当たり前で、あえてジェンダー教育や環境教育をしなくても、日常風景を変えれば生徒たちは社会の変化に気付く。アウシュビッツでは、歴史の本で読んだだけでは分からない意義深い経験ができ、平和とは何かを自分の頭で考えるようになる。生徒たちの心に引っ掛かる、学校独自の体験をどれだけ用意できるか。青田校長はそのための「仕掛け」を常に考えているという。