多様な学びの形で
“発想の自由人”を育成
ポスターセッションなど発表の機会も多彩だ
こうした環境の中、教員は教科や学年の垣根を越えて協働し、知的探究を実践している。
例えば理科の授業では「科学捜査 物体Xを捜せ!」というテーマが設定され、警察の科学捜査の手法を調べながら、現場に残された足跡から化学物質Xを特定する実験を考える。
数学の授業では、AR(拡張現実)のアプリを使い、空間図形や2次関数を理解する。国語表現の授業では、多文化共生をテーマに哲学対話を行い、多様な価値観を学ぶ。
教育熱心な保護者が多いのも特徴。進路を考える高校での「Career Training Camp」には保護者も積極的に参加、講師を務める
また教科横断型授業も積極的に取り入れている。「現代の土器を創る」という授業では、社会×理科×美術を実施。土器の歴史を学び、理科の実験でオリジナルの釉薬(ゆうやく)を作り、美術の時間で焼き物を創作する。生徒たちはタブレット端末を駆使し、クラスメイトと対話を繰り返しながら、生き生きと課題に取り組んでいる。
「本校では、自分自身で考え自分の意見を表明することが、クラス全体の学びに“貢献”できる、という考え方を重視しています。生徒たちは、アカデミックな環境の中で、感情的に判断して動くのではなく、一度立ち止まって考える姿勢を身に付けている。大橋清貫学園長の“発想の自由人たれ”という言葉を、生徒たちは具現化してくれていると思います」と語る今井副校長。世界標準の教育が名実共に定着し、実践されている。
芝生が広がるパティオ(中庭)を取り囲むように教室があるキャンパス