英語力を利用して
理系への進学が増える
近年の傾向として、理系大学への進学実績が伸びている。吉田校長はその理由として、実験を軸とした理科教育の充実はもちろん、英語力の高さが貢献していると話す。
「理系学部の入試では、理系科目の配点と英語の配点が同一の学部が多い。本校ではキャリア教育にも力を入れており、進路講演会などでさまざまな先輩たちの話を聞きます。英語力という武器があるので、文系・理系にかかわらず、生徒たちの進路の選択肢が大きく広がる。その結果、理系学部への進学を目指す生徒が増えているのです」
22年度の進学実績では、千葉大学薬学部をはじめとする国公立大学、私立大学の薬学系、保健医療系、理工学系などに多くの生徒が進学している。
日々の学習をはじめ入試対策に効果を発揮しているのは、校内にある「学習支援センター」だ。ここでは外部講師の力を借りて、弱点を翌日に積み残さない「基礎力定着プログラム」と、予備校に行く必要のない「ステップアッププログラム」を実施している。
「多くの卒業生がチューターとして学校に戻り、身近な相談相手やロールモデルとして協力してくれています。学習支援センターの講師と担任との連携も密接で、生徒の状況を常に把握しているのが強みとなっています。実際に、外部の予備校に行っている生徒よりも、学習支援センターを有効に活用している生徒の方が結果を出しています」(吉田校長)
部活動では、全国制覇をしたこともあるチアリーディング部が有名で、ラクロス部も全国大会に出場。勉強とクラブ活動を両立させている生徒も多い。
豊かな人間性を育むため、芸術教育に力を入れているのも目白研心の特徴だ。毎年、全員参加の芸術鑑賞会を開催。ここ数年は、和太鼓やバレエ、ブラスバンドやオーケストラなどの芸術鑑賞会を実施した。
「高3は受験のために時間がないと言われますが、芸術鑑賞に時間を割ける余裕がなければ合格もおぼつかないと考えています。目先の合格実績よりも、中高時代に子どもたちの心を豊かに育てることを大切に考え、毎年生徒たちの“宝”になるような芸術鑑賞会を企画しています」と吉田校長。今年度は劇団四季の公演を貸し切りで鑑賞する予定だ。