中小企業のための「大容量で安価なビジネス書類の電子保管サービス」がついに誕生。電帳法対応も可能なその真価とは(左)オリックス 法人営業本部副本部長 戦略営業担当 石長浩之業務執行役員
(右)オリックス 法人営業本部 デジタル戦略推進室 アシスタントマネジャー 岩野徹也氏

電子帳簿保存法(以下、電帳法)の改正による「電子取引に関するデータ保存義務化」の宥恕期間が、残り数カ月となった。まだ何の対応もできず、「どうすればいいのか?」と困り果てている企業も多いはずだ。特に中小企業にとってはシステムの導入費用が高く、導入しても使いこなせる社員がいないことなどがネックとなっているのだが、それらの課題を一気に解決する簡単で安価なオンライン書類ストレージサービスが登場した。

キャビネットに保存するだけで、電帳法の要件に対応できる

 2021年3月の電帳法改正によって、企業が取引先から電子的に受け取った請求書や領収書などの取引データを、電子データのまま保存することが義務化された。

 それも、ただ保存するのではなく、記録された内容の訂正・削除ができないような措置を行うこと、保存したデータが「取引先名」「取引日」「取引金額」で検索できるようにすることなどが要件とされており、これらに対応するには、何らかのシステムの導入や、事務処理規程の策定とそれに従った運用などの対応が必要である。

 そのためか、22年1月の改正電帳法施行から1年以上が経過した現在でも、中小企業を中心に対応できている企業はそう多くないのが現状だ。

「改正電帳法の『電子取引に関するデータ保存義務化』に対応するシステムは、中小企業にとっては導入コストが高く、導入したとしても、ITに慣れていない社員の方には使いこなせないことが多いようです」と語るのは、オリックス法人営業本部デジタル戦略推進室の岩野徹也アシスタントマネジャーである。

中小企業のための「大容量で安価なビジネス書類の電子保管サービス」がついに誕生。電帳法対応も可能なその真価とはオリックス法人営業本部 デジタル戦略推進室
岩野徹也 アシスタントマネジャー

 岩野アシスタントマネジャーが所属するデジタル戦略推進室は、オリックスの主要顧客である中小企業向けに、さまざまなデジタルソリューションの企画・開発を行っている。

 その一つとして同社がリリースしたのが、改正電帳法に対応するオンラインストレージサービス『PATPOST』(パットポスト)だ。

 このサービスは、従来のシステムに比べて導入コストやランニングコストが安く、しかも誰でも簡単に利用できることを最大のセールスポイントとしている。

「基本的な機能は、ワードやエクセル、PDFファイルなどの電子書類をクラウド上に保存できるというもので、一般的なオンライン書類ストレージサービスと同じですが、『一般キャビネット』のほかに、改正電帳法の要件を満たした状態で保存ができる『電帳法キャビネット』を用意しています。このキャビネットに書類を入れるだけで、自動的に内容の訂正や削除ができなくなるという仕組みです」と岩野アシスタントマネジャーは説明する。

 タイムスタンプの付与や、訂正・削除ができなくするための設定などは不要。ただ、受け取った電子取引データを「電帳法キャビネット」に保存するだけで、改正電帳法の要件を満たすことができるのだ。

 次ページからは、電帳法対応のツールとしては後発であるのにもかかわらず、この『PATPOST』がいかに優れた点が多いのか、価格や仕組みも含めて詳しく説明する。