1つの元データを両方のシステムで使えば、再入力や人手によるチェックに伴う非効率を避けられる。同時に、正確性を高めることもできる。そこで、HIPLUSは、作業工数管理機能を就業管理で実装し、勤務実績と作業工数の整合性をシステム上でチェックさせ、作業工数をCSVにて出力することで、原価管理システムに流し込めるようにした。これで担当者の負荷は大幅に低減する。

 また、月次の勤務実績の締日(月末締め)と作業工数管理の締日(顧客請求スパンに合せ25日締めや請負作業 納期yy/mm/dd)が異なる場合がある。このような場合にも、HIPLUSは別々のタイミングで締め処理を行うことができる。

「当社は基幹システムの開発なども手掛けています。その経験があるので、基幹系とのスムーズな連携を考慮してHIPLUSを設計しています。その成果の一例が、異なる締日での処理を可能にする機能です」と藤原氏。もちろん、さまざまな給与システムとも簡単に連携させることができる。藤原氏は「給与システム側が欲しい情報を、欲しい形で出力することができます」と語る。こうした基幹システムとの連携は、多くの導入企業で実績があるという。

就業管理に加えて労務管理のエリアもカバー

 HIPLUSには就業管理システムとしての側面だけでなく、労務管理をカバーする機能も充実している。先に触れたシフト管理機能に加えて、例えばパートやアルバイトに対する有給休暇の比例付与という機能もある。

「社員の有給休暇を1つのルールで管理できることに加えて、非正規社員の就業実績に比例する形で有給休暇を付与できる機能(比例付与)機能を持っています」と藤原氏。従来、多くの企業は労務管理の対象を専ら正社員としてきた。しかし、近年は非正規社員に対してもきちんとした労務管理が求められるようになっている。こうした課題に対応する機能は、HIPLUSの得意とするところだ。

 HIPLUSに最近搭載された機能としては、スマートフォン・携帯電話との連携がある。これは固定した事務所以外の場所で仕事をしている人たちを対象にしたものだ。
「不動産や自動車の営業担当者、あるいはビル管理の担当者などを想定して開発しました。仕事の現場に到着したとき、勤務を終えたときにスマートフォン・携帯電話で該当のWebサイトにアクセスし、ID/パスワードを入力し、出退勤打刻を実施。これで、スマートフォン・携帯電話のGPS位置情報と打刻時刻が記録されます」と藤原氏。この機能は大手キャリア3社のスマートフォン・携帯電話に対応している。

 業務のさらなる効率化、法令順守などの観点から、就業管理システムへの関心は高まっている。日立システムズは顧客のニーズを深掘りすることで、HIPLUSをさらに進化させようとしている。