なぜ旅行大手のJTBが企業向けBPO受託に乗り出すのか。新たに提供を開始する「伴走型ビジネスアウトソーシング」の勝算左から、JTB ビジネスソリューション事業本部 マーケティングチーム 東原 彩マーケティング担当マネージャー、同事業推進チーム 能津真大事業推進担当マネージャー

「交流創造事業」を事業ドメインとするJTBは、今秋から企業向けBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)業務を本格化する。これまでも、旅行や会議関連を中心にさまざまな業務を外部から請け負ってきたが、今後はより幅広いラインアップで法人の課題解決に取り組んでいく。単なる業務委託ではなく、パートナーとして顧客に寄り添い“伴走”するのが特徴だ。その狙いと意気込みを聞いた。

企業が取り組むプロジェクトの成果を最大化させるBPO業務

 近年、世の中はコロナ禍を経験したことで新たな生活様式や社会のルールが形成され、企業の在り方、人々の働き方が大きく変化している。また、日本の生産年齢人口(15〜64歳)は減少傾向にあり、人手不足に悩む企業が増加。グローバル競争も激化しており、企業は今、業務効率化やコストダウンに取り組みながら、コア業務にリソースを集中させようとしている。売り上げの減少も予想される中、1人当たりの顧客生涯価値(LTV)を上昇させることは、企業の成長戦略の中で重要な要素だ。

 こうした厳しい経営環境の中で、業務プロセスの一部を外部委託するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)が、以前にも増して注目されている。

 一般的に、BPO導入のメリットは大きく二つ。一つは、コア業務に人的資源を集中させ、より戦略的な業務へシフトすることで企業の競争力を強化できる。もう一つは、経営資源を新規のコア事業の開発や投資に割くことで、新たな収益源を創出できる。

 JTBは今、そのBPOの受注業務を本格的にスタートさせようとしている。提供するのは、名付けて「伴走型ビジネスアウトソーシング」。企業が取り組むプロジェクトの成果を最大化させるために、単なる業務委託ではなく、パートナーとして“伴走”するのが特徴だ。

 JTBだからこそ可能になるBPO業務とは、具体的にどのようなものなのか。次ページからは、旅行業務などで培った「顧客に寄り添い課題解決をサポート」する、新しいBPOの形を紹介する。