スマートフォンやタブレット端末の普及が進み、従業員個人が所有するモバイル端末を業務に利用するBYOD(Bring Your Own Device)が話題にのぼることが増えてきた。利用者個人からすると、社用の端末を別に持たずとも使い慣れた私物スマホを仕事に使える、スマホの高機能を生かし、移動中のすきま時間にメールの確認などちょっとした業務をこなせるなど、業務効率をアップさせるものとの期待がある。

気になるのは通信料金の精算を忘れて、ついつい自腹負担になりがちなところだが、企業の管理者はこの際、思い切ったコスト削減や全社的な業務効率向上も視野に入れた対応を考えてもらいたい。

050番号によるビジネス通話の課題を解決

 NTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)が提供するスマートフォン用通話アプリ「050 plus for Biz」は、ビジネスで使いやすいIP電話サービスとして、利用者が広がっている。

 このサービスは、法人契約の下、スマホの電話番号として050から始まる電話番号をもう一つ割り当てられ、その番号で発信した場合の通話料は、他社キャリア携帯宛てでも1分当たり16.8円と、スマホで一般的な料金プランである30秒当たり21円と比較して格安な設定になる。一般的な無料通話アプリなどと違い、同一のアプリユーザー間にとどまらず、広く一般の電話番号に発信できる。また、ビジネス向けとして、留守電機能や、転送などにも対応し、通話料金の精算も、利用者が個別に行う必要はなく、NTTコムと契約した法人との間で一括で行われる。

 ただし、050番号からの発信は、IP電話サービスのため、ネットワークの利用状況によっては音質が不安定になるという面がある。大事な顧客との商談やクレーム対応の通話などでは使いづらいなど、利用シーンは限定されがちだった。

 その通話品質の面での課題に対応すべく、050番号ながら、状況に応じてIP電話モードではなく、通常の携帯電話モードで通話できるようにするのが「050 plus W-mode」というサービスだ。これは従来からあった請求先を切り分けられるサービス「0035 ビジネスモード」を「050 plus for Biz」に組み込んだかたちのもの。発信の際に相手先番号の前に「0035-45」という番号をつけて発信することで、そのぶんの通話料は会社に請求がいくようになる。

「050 plus W-mode」では、アプリから発信する画面で、指定のボタン(右写真「左下の青いボタン」)を押すだけで、050番号による発信でありながら、携帯電話モードで通話ができるようになる。