つまり、「050 plus W-mode」によって、スマホ利用者は、3つの通話モードを使い分けることができるようになる。1つは通常の携帯番号による発着信、そして、050番号によるIP電話モードでの発信と携帯電話モードでの発信だ。業務に私物のスマホを使っている場合、通常の携帯番号をプライベートの通話に使い、050番号をビジネス用途とし、かつ、社内連絡用で長電話になりそうな場合はIP電話モードを使い、取引先との商談のような場合は携帯電話モードを使うというように使い分けることができる。当然、050番号での発信分の料金は、明細精算といった面倒な手間をかけずとも、自動的に会社に請求がいく。
仕事でやむを得ず私物の携帯電話を使い電話をする際に、自分の携帯番号が相手に伝わってしまうことに不安を感じる人も、050番号をビジネス専用として使うといった使い方もでき、まさにBYOD時代にうってつけのサービスといえる。NTTコム自体、2011年度から「働き方改革」を目指し、数千台規模での私物スマホの業務利用を認めている。さらに世の中への普及を支援する取り組みを進めるなかで生まれてきたサービスだ。
BYODの推進が企業の負担を下げる理由
販売推進部門オフィスソリューション担当 主査
赤井英夫氏
「個人の携帯市場においてスマートフォンの普及が急速に進むなか、企業においても従来の携帯電話を貸与してきた会社の多くが、貸与端末の見直しを検討する状況にあります。しかし、スマートフォンになると、機器代金、一本化された通話料金プラン、パケット定額制などにより、おしなべて導入コストが高くなる傾向があります。そこで私物の携帯端末を業務利用するBYODを導入することで、企業としては大きくコストダウンを図りながら、社員個人が所有するスマートフォンなど最新の端末を業務に活用することができます」(NTTコムで「050 plus W-mode」を推進する赤井英夫氏)
同社の試算によると、コストダウンの内訳には大きく3つのポイントがある。第一に、いうまでもなく機器代金だ。従来会社が負担していた部分が、社員個人所有のものが使われるため、社員負担となる。次に、通信費。これは、基本料金、音声通話の通話料、パケット通信料金に分かれるが、BYODでは基本料金、パケット定額料金は、利用者負担のままのケースが多い。また通話料もIP電話モードでの通話は格安になる。
第3には、間接的な効果だが、明細による精算処理に伴う人件費や、端末管理、故障対応など管理部門における業務の大幅削減によるコストダウンが可能になるということだ(下図参照)。