事業構造を変革するアウトソーシング戦略
コスト削減プラスアルファの価値を生むには？

なぜBPOを利用しないのか――。
機密保持などへの懸念も

 一方で、ビジネス・プロセス・アウトソーシング（BPO）を利用していない企業・団体に所属する人の意見をまとめた結果、「現在利用を検討している」「時期はわからないがいずれ利用したい」という回答を合わせると、40％強が利用について関心を示していることがわかった（図4）。

 他の質問項目で、現在はBPOを利用していないが、仮に利用した場合、BPOに期待することは何かを尋ねたところ、やはり「コスト削減」や「人材の有効活用」を挙げた回答は多かった。

 BPOを利用していない企業では、何がネックになっているのだろうか。 

 現在、BPOを利用していない企業・団体に属する人の回答から、「自社のシェアードサービス^※2を利用しているから」という理由のほか、検討したが利用に至らなかった理由だけを抽出してみた（図5）。

 そこには、以下のような懸念が寄せられている。

 例えば、「どこを外注してよいかわからない」ことや、コスト削減効果やセキュリティー面での不安、あるいは、「従来からのやり方を変えることで組織に不安が広がる」ことなどだ。

 これらのことから、BPO導入後の具体的な業務のオペレーションがイメージできないことが、障壁になっているようにも捉えられる。