自然災害が少ない
地域に根付いて安定生産

半導体生産に貢献する、60年間磨き続けたフッ素樹脂加工技術F1松浦工場に隣接する新工場「F1EAST WING」(完成イメージ図)。
新工場は鉄骨2階建て、延べ床面積3734平方メートル。2023年11月完成

 フッ素樹脂製品の生産能力も強化する。生産工場は長崎県松浦市と栃木県鹿沼市(宇都宮工場)にあるが、創業の地でもある松浦市には、18年に竣工したF1松浦工場をはじめ5工場を有している。今年11月にはF1に隣接した敷地に新工場「F1EAST WING」が完成。「新工場には新しい装置を入れるので、もっと複雑な形状のフッ素樹脂製品が作れるようになり、お客さまの要望に幅広く応えることができます。生産能力は20年度比で2倍に引き上げる計画です」。新工場では新たな雇用が生まれることから、「優秀な人材に来ていただいて地元の雇用にも貢献したい」と原口理事は誇る。

 シリコンアイランドの半導体工場の集積地は熊本県だが、同社が創業地(長崎県松浦市)を離れないのは、「リスク分散」という意味合いもある。「松浦市は基本的に地震が少なく、過去に自然災害もほとんどないので、安定した製品の供給ができます。それでいて熊本や福岡に近いので、輸送コストも抑えることができるのです」。そして九州はもちろん、国内、海外の顧客に同社の優れたフッ素樹脂製品を売り込みたい、と原口理事は抱負を語る。

 フッ素樹脂加工の技術をベースに、成長産業の半導体分野で存在感を示す同社は、長崎から世界に向けて羽ばたこうとしている。

●問い合わせ先
中興化成工業株式会社
〒107-0052 東京都港区赤坂2-11-7 ATT新館10階
TEL:03-6230-4415(広報)
URL:https://www.chukoh.co.jp/