息子・娘を入れたい会社2024

過去最高益を達成。自由な発想でビジネスを切り拓く独立系商社

阪和興業

人材育成に従来比
3倍の予算をかける

 阪和興業の創業者である北二郎は「商社は人なり」を信条とし、「企業の繁栄と社員の幸福は車の両輪である」との理念を掲げた。その理念は今もしっかり受け継がれ、人材育成や研修には力を入れている。22年度は従来比3倍もの予算をかけ、VR環境を備えた企業内大学(Hanwa Business School)を創設した他、国内MBA派遣をスタート、コロナ禍で中断していた海外語学留学制度の再開も果たした。

過去最高益を達成。自由な発想でビジネスを切り拓く独立系商社半年間海外の支店で学びながら勤務する「海外トレーニー制度」での一コマ。写真左PT.HANWA INDONESIA、写真右HANWA AMERICAN CORP.LOS ANGELES BRANCH

「企業内大学は、八つの学部編成となっています。さまざまな研修をカテゴリーごとに八つの学部に集約・体系化しており、これまで実施してきたスキル研修のみならず、当社オリジナルのコンテンツがあるのも特徴です。例えば“文学部”では、先輩たちが、どのように新規の取引先を開拓したのか。その内容をインタビュー動画で公開しています。顧客満足を第一に考え、確固たる信頼関係を構築しながらビジネスを拡大していく。そんな阪和のスピリットやDNAを伝えていく手段にもなっています」(鶴田執行役員)

 公募制の国内MBA派遣には、営業の最前線で活躍している社員も積極的に手を挙げ、業務の合間に勉強に励んでいる。海外語学留学制度は、中国(中国語)とメキシコ(スペイン語)への語学留学を再開、こちらも公募制で1年間は業務を離れて語学の習得に集中する。この他、半年間海外の支店で学びながら勤務する「海外トレーニー制度」もある。本社では海外現地法人の社員も受け入れ、「ナショナルスタッフ研修」など双方向の交流もある。基本的に海外で活躍したいと希望する社員が多いため、グローバル人材の育成には今後も力を入れていく考えだ。

「阪和は独立系商社であり、自らビジネスを創り出す意欲を持ち、お客さまに提案していくことで仕事が生まれます。その分、自由な発想で自由に動けるという魅力がある。“阪和に行けば、何か面白いことができるのではないか”と興味を持つ人材に来てもらいたい」と鶴田執行役員は話す。

 近年は毎年100人以上の新卒社員を採用し、キャリア採用も積極的に行っている。スケールが拡大しビジネスが多角化する中で、次世代を担う多様な人材が求められている。

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