DX、EXを推進し
循環型社会実現に貢献
レンタル市場は成長市場だけに競争も熾烈で、同社のような大手数社を頂点に2000~3000社がしのぎを削る。
「その中で当社が生き残り成長を続けるために、ニッケングリーンカンパニー構想では、『DXの更なる推進』『EX(エネルギートランスフォーメーション)の推進』『業務効率化の推進』の三つを重要戦略と位置付け、持続可能な社会に貢献できる会社を目指しています」と藤良社長。
代表的な例を挙げると、DXでは「デジタルで建機レンタル業界の構造改革を目指す」を掲げ、21年4月、オンラインでの受発注を可能にする「オンラインレンタル」プラットフォームをリリース。ユーザーの好評を博し登録ユーザー数は3万9000人に迫っている。今後はプラットフォームを深化させ、顧客の資機材管理の負担を軽減する資機材管理ソリューションへ発展させていく計画だ。
EXでは23年4月にEX部を設立し、顧客のCO2排出削減への取り組みを支援する体制を強化した。例えば、「把握が難しい現場で排出するCO2を見える化し、カーボンニュートラルの達成に貢献」(藤良社長)することも視野に入っている。
業務効率化の推進では、「変化を受け入れ、挑戦する」ことをテーマに内部オペレーションの構造改革を行い、デジタル技術も最大限に活用し、労働集約的な業務プロセスを徹底的に見直す取り組みを進めている。
藤良社長の言葉から伝わるように、同社は徹底的な顧客第一主義だ。創業者の「お客さまの“困った”に応える」精神がDNAとして社員に受け継がれていて、顧客が必要としていてメーカーが造っていないものは「有料ボランティア精神」を発揮し、自社で開発・製造して貸し出している。
丁寧な研修制度によって
新卒社員の不安を解消
同社が募集する職種は、顧客の“困った”を聞き出し、解決策を考え提示する「営業」、顧客の問い合わせに対応する「内勤」、商品を点検・整備したり開発したりする「サービス(整備)」の三つだ。これらの業務は縦割りではなく、「内勤の社員がお客さまの電話を受けて、最適な建機を提案することもあります。社員の誰もがお客さまのお役に立ちたいという気持ちを持っているからです」と藤良社長は語る。
しかし、入社時に機械の知識がなくても困ることはない。入社後の3カ月間は「新入社員研修」でビジネスマナーや業界知識、商品知識などの基本を学ぶ。その後は配属先で6カ月間の「OJT」を受けて、研修計画に基づいた先輩社員の指導やアドバイスによって業務を学んで独り立ちする。成長の道筋がはっきりと示されているので安心して働ける。
同社だけのユニークな制度も働きやすさを後押ししている。公私の区別を明確にするためのビジネスネーム制度と、お互いを役職ではなく「さん付け」で呼び合うさんさん運動は、風通しが良く、自由に物が言える職場の実現に役立っている。
ビジネスネーム「情熱一郎」氏は、情熱を忘れずに仕事をすることを誓って熱い名字を付けた(右)
レンタル市場はSDGsのトレンドに乗った成長市場。その中心にいる同社の未来は明るい。