「医療の社会インフラ」として
大規模災害時に存在感を発揮
アルフレッサでは大規模災害に備えつつ、必要なときに必要な場所へ医薬品を届けるため、全国9カ所の物流センターを拠点に医薬品を供給するためのBCP(事業継続計画)を策定。物流センターは耐震構造や自家発電装置を備え、最新の拠点では免震装置も導入している。
輸送・配送も自社で手掛け、世界基準を満たした温度管理を徹底するなど、品質の維持にもこだわる。
「こうした取り組みで信頼を積み重ねてきた結果、東日本大震災のときには閉鎖された高速道路の特別走行許可が下りたり、コロナ禍でもワクチンの輸送をお任せいただいたりしました」と福神社長は語る。
またアルフレッサは、温度管理技術研究所を自前で持ち、液体窒素を用いた設備機器などでマイナス150度以下の保管・輸送環境を整備。多様化する医薬品の品質管理を徹底し、高度な輸送技術を実現することで、医療の社会インフラとして存在感を発揮している。
医療機関の活動には情報も重要だからこそ、情報提供・情報収集を通じた医療現場の支援にも積極的だ。医療現場の業務効率化やさまざまな課題に対するソリューションツールを提供し、病院、クリニックや薬局の経営を情報の面から支えている。
また、近年は医療と介護など多職種連携で少子高齢化を乗り切る「地域包括ケアシステム」への対応が進められている。アルフレッサは幅広い医療の現場に関わる医薬品卸の立場を生かし、医師同士や医療従事者と介護職といった関係者のネットワーク構築を推進し、地域一体となった健康づくりの環境整備にも着手している。
「多職種連携の勉強会を主催したり、コロナ禍ではオンラインミーティングの設定もするなど、地域の医療関係者をつないできました。結果、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進にも貢献できたと思います」と、福神社長は胸を張る。