東日本エリアを中心に線路・土木・建築などの事業を展開する東鉄工業。他のゼネコンの追随を許さない高い専門技術と盤石な経営基盤を背景に鉄道の根幹である安全・安定輸送を支え続けて80周年を迎えた。次は100周年。同社の鉄道インフラを守る挑戦は続く。
前川忠生 代表取締役社長
東鉄工業は1943年、当時の鉄道省の要請により、鉄道の保持・強化を目的に東京鐵道工業として設立された──この経緯から分かるように同社は80年の歴史を誇る鉄道系ゼネコンであり、鉄道設備の保守に関わる業界団体「全国軌道業協会」の会長職を同社の歴代社長が務める、業界をけん引する存在だ。
人々の安全・安心を守る
スペシャリスト
前川忠生社長は自社を「鉄道関連設備の建設および保守に関する高度な専門技術を有し、これを活かした線路事業や土木・建築事業を幅広く展開する建設会社」と説明する。そこには、鉄道事業の根幹である乗客の安全・安心を守るという使命を日々支えるスペシャリストという自負がある。
同社の事業部門は「線路」「土木」「建築」「環境」の4部門。線路事業では、国内最大規模の線路メンテナンス工事シェアを誇る。土木事業では、高架橋、トンネル、立体交差などさまざまな鉄道土木工事や防災・耐震補強工事などを手掛けている。建築事業では、駅関連施設はもちろん、難易度の高い線路近接の建物、集合住宅、ホテル、商業施設まで幅広く手掛ける。環境事業では、環境負荷の低減に向けた緑化を中心に、太陽光発電・ZEB(エネルギー消費ゼロを目指す建物)化なども手掛けている。
盤石な財務体質と
抜群の安定性
鉄道工事では、特殊なノウハウを要するため、対応できる企業が限られている。そのことから、“参入障壁”が高く、ゼネコン業界の中で高い利益率を維持している。資本効率や財務健全性も高水準を継続している安定性の高い建設会社であり、どの部門においても独自性を発揮してシナジーを高めることで、鉄道工事業界において「ナンバーワン」、建設業界においては「オンリーワン」の企業を目指している。