オカムラ 働き方コンサルティング事業部 ワークデザイン研究所 所長 森田 舞氏(左)、SL&A ジャパン代表取締役社長北村紀子氏(右)※両氏のプロフィールは3ページ目を参照。

コロナ禍を経て働き方が多様化した昨今、オフィスは単に仕事だけをする場ではなくなっている。オカムラの新オフィス「We Labo(ウィラボ)※」で、設計者の北村紀子氏とオカムラの研究員の森田舞氏が対談。個人が活き活きと働き、生産性や従業員エンゲージメントが向上するオフィスの在り方について話を聞いた。
※東京紀尾井町ニューオータニガーデンコート24~26階にあるオカムラのヘッドクォーターオフィス

多くの経営者がオフィス改善の必要性を認識

――コロナ禍を経て、日本の経営層は今どのような課題を抱え、オフィスはそれに対しどんな貢献ができるのでしょうか。

森田 2023年9月に実施した経営層への調査(図1)では、人材確保、生産性向上、コミュニケーションの活性化の順に経営課題が挙げられています。また、74%の経営者が、オフィスの見直しの必要性を感じると回答(図2)。制度と併せ、オフィス改善が課題解決に有効だと経営者も認識しているようです。

北村 コロナ禍以降、リアルでの従業員同士の交流が減りました。オフィスは、従業員が対面し、「エネルギー交換」をする場でもあります。そんな中、経営者も従業員エンゲージメントの希薄化を危惧しており、出社したくなるオフィスが必要との認識から相談も増えています。

 その際お話しするのは、リモートワーク以上にパフォーマンスが発揮できるオフィスづくりについてです。例えば、「超集中」「適度な雑音のある空間」「眺めの良い窓際」「リラックスできる1on1ルーム」など、企業によって異なる働き方に合わせカスタマイズできる場。そこに共感する経営者も多いのです。

【利他と多様性】 「1on1に活用できる"受容の部屋"。多様な人がいるからこそ、理解し合うため、 相手を受け入れる姿勢で耳を傾ける静かな空間です」(森田)

――では、オフィスはどのように変化していくのでしょうか。