学研のオンライン英会話「Kimini」が「AdCoinz」を活用

 新しいニュースもある。LMIグループは2024年2月、書店大手の丸善ジュンク堂書店が運営する「丸善ジュンク堂書店」の一部の店舗において、店舗内画像の取得および分析を開始した。カメラにより、利用客の年代、性別などを推定し、店舗内での移動・滞留状況などを分析するという。利用客の風貌や人物の特徴を示す内容、個人の特定につながる情報は含まない。

 データの利用者として、学研グループのGlatsが運営するオンライン英会話「Kimini(キミニ)」が参加する。Glatsでマーケティングを担当する山路リチャード氏は次のように語る。

AIカメラを搭載する新たなリテールメディア「AdCoinz」Glats
マーケティングディレクター
山路 リチャード

「当社はこれまでウェブ広告を中心に集客のマーケティングを行っていましたが、競合のオンライン英会話との兼ね合いもあり、近年、出稿単価が上がっており、費用対効果が下がってきていました。代替の戦略を模索していましたが、以前から関心を持っていたリテールメディアを利用することを考えました」

 具体的には、丸善ジュンク堂書店のうち全国8店舗に「AdCoinz」を設置し、「Kimini」の広告を掲載する。

「書店を訪問されるお客さまは知的好奇心や向上心が高く、当社のターゲットに近いユーザー像だと考えられます。さらにお子さま連れの方、ビジネスパーソンといった属性も分かりますので、効果測定がより正確に分析できると考えています」と山路氏は話す。複数の広告コンテンツを用意してのABテストも実施する予定だという。

 さらに山路氏が期待するのがLTV(顧客生涯価値)の向上だ。「『AdCoinz』を利用することで、リードやコンバージョン(入会などの成果)が分析できるだけでなく、ある店舗の広告を見て入会された方は継続率が高いといったLTVまで分かるようになります。また、お子さま向けのコース、受験生向けのコース、TOEIC対策コースなど、細かなニーズに対応するアプローチができると思います。LMIグループはそのあたりのマーケティング施策に関するノウハウも持っているので、ぜひ当社に合った提案をしてほしいと願っています」と話す。

 望田氏はそれに対して、「山路さんはマーケティング知識も豊富でやりたいことが明確です。一方で、リテールの企業の中には、データを活用した本格的なマーケティング活動をしたことがないというところも少なくありません。当社がご支援することで、ぜひ自社のマーケティング力を高めていただきたいと思っています」と話す。

「AdCoinz」には、消費者が提供を許可した個人データをマーケティングデータとして広告主やリテールに還元するといった仕組みもある。広告主にとってもリテールにとっても価値創出につながる取り組みが進むだろう。

 望田氏は「『AdCoinz』を見ている消費者の性別や年齢などの属性をAIで分析し、瞬時に最適なコンテンツを掲示するといった機能の開発も行っています。技術的にはすでに完成しており、現在実証試験を行っているところです。今後も機能の向上は積極的に行っていきます」というから楽しみだ。

 これまでにない新たなリテールメディアとして、「AdCoinz」の広がりに注目していきたいところだ。

AIカメラを搭載する新たなリテールメディア「AdCoinz」
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