朝礼は毎日全事業所をリモートでつないで行い、全ての社員に近況を語るスピーチの機会が与えられる。毎年行うキャリア面談では、やりたい仕事や目指す将来像だけでなく、結婚や出産、介護といったライフイベントの希望や不安も共有できる。新年会や社員旅行、誕生日会などの社内行事も多く、オンオフ問わず社員同士の交流も活発だ。こうした濃密なコミュニケーションで一人一人のキャラクターが社内で共有されているからこそ、どんなプロジェクトでも自然に適任者に声が掛かり、望む成長のチャンスがふんだんに与えられるのだ。

ユニークな感性で、時代の半歩先へ。食の可能性を広げるパイオニア企業1カ月にわたる新入社員研修(写真左)。研修が終わる頃には、強い同期の絆が結ばれる。 「ドライな人には向かない」と筏社長が言い切るほど家族的な社風、社員たちの家族会も年に1度社屋の食堂で行われる(写真右)

「時代に逆行しているようですが行事は全員参加です。社内ではいつも暑苦しいぐらいに仲間を気に掛けるのが普通なので、新入社員でも孤立する暇がありません。ドライな人には向かない職場だと思います(笑)」

 1カ月間みっちり行われる新入社員研修にも、そんな同社の「らしさ」が表れている。スキルや知識の習得よりも「相互理解」や「思いの共有」に重きが置かれているのだ。

「研修期間中は毎日、1日の最後にその日学んだことを『2分間プレゼン』で発表してもらいます。発表を控えているので研修は真剣そのもの。工場研修でも企画研修でも質問がバンバン出て現場のコミュニケーションが活性化し、教える側の先輩社員にも多くの学びをもたらします。全部で30回もプレゼンがあるのでハードですが、終わった頃には見違えるように成長します」

 半年後のフォローアップ研修では、新入社員たちは自分なりのテーマをさらに深掘りした研究発表に取り組み、ここから新商品が形になることもあるという。

「今、さらに研修制度の充実を図っているところです。私たちには『社員を育てる』なんておごった気持ちはありません。会社を舞台に個性を輝かせ、共に成長できるユニークな仲間を求めています」

ユニークな感性で、時代の半歩先へ。食の可能性を広げるパイオニア企業リボン食品には明文化された企業理念はないが、歴史の中で大切にされてきた理念ワードが共有されており、行動指針として浸透している
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