NTTグループの一員として、通信施設の維持管理を中心に、事業を展開している日本メックス。全国180の直営サービス拠点を軸に、建物の「維持管理」「工事」を通して、クライアントの資産価値の最大化に取り組んでいる。厳しい環境で培った安全管理の技術やノウハウは、オフィスビルや公共施設、データセンターなどの保全にも生かされている。

日本メックス
臼井 賢
代表取締役社長
うすい・さとし■1984年、東京工業大学工学部建築学科大学院修了。同年、日本電信電話公社入社。99年エヌ・ティ・ティファシリティーズ 関西事業本部事業推進本部建築・FM事業部長。2012年同社取締役経営企画部長、16年同社常務取締役海外ビジネス本部長を経て、19年同社代表取締役副社長 営業本部長。20年6月より現職。

──日本メックスの特徴と事業内容を教えてください。

臼井 設立は1972年、当時の電電公社(現NTT)の施設に対して、「建築保全業務を円滑かつ効率的に実施し、電信電話事業に貢献する専門会社」という位置付けでスタートしました。当初は建物の維持管理が中心でしたが、現在は改修工事に加え、耐震対策や建物、鉄塔解体など建物躯体の工事の他、空調、衛生、電気工事も実施しています。またNTTの建物の維持や工事で培ってきた安全管理能力や技術を生かして、オフィスビルや公共施設、集合住宅やデータセンターへも事業を拡大しています。事業活動を止めることなく、建物や設備の改修工事を行う「居たまま工事」のスキルが役立っています。

 「通信を止めない」
厳しい環境下で責務を担う

──日本メックスの強みは?

臼井 強みの一つ目は、厳しい環境下でも「通信を止めない」重要な業務を担ってきたことです。NTTグループが生業とする通信は貴重な社会インフラであり、その通信施設を正常・安全に維持管理する責務を担ってきた自負があります。特に災害対策において、過去の震災や豪雨などの災害時には、通信の確保に向け、当社社員が全国から速やかに現地に入り、被災状況の点検や応急復旧の支援活動を実施してきました。この活動は、NTTグループから大きな評価を頂いています。

 二つ目の強みは、全国各地に数多くのサービス拠点を設置していること。全国津々浦々の通信ビルに対応するため、直営180拠点、協力会社1200拠点を擁しています。これらのサービス拠点を最大限に活用するため、24時間365日、故障などを受け付ける「MECCS NET24センタ」を設置し、トラブルへの円滑かつ迅速な対応を実現しています。

 強みの三つ目は、本社にコンサル部門を設置し、維持管理と工事の一元実施体制を構築していること。建物の維持管理や点検で得られるデータを基に、劣化度合いを分析して改善提案を行っています。これによって建物の価値を維持しつつ、建物費用の平準化を図る提案が可能になるのです。