「建物空間の未来を
KYOSOするプロ集団」

──創立60周年に向けて「ビジョン60」が始動。この狙いは?

臼井 昨年度の創立50周年のとき、次の10年後を見据えた新たな経営目標を立てようと考え、中堅社員を中心に検討してもらい策定しました。新たなビジョンは、「建物空間の未来をKYOSOするプロ集団」をスローガンとして掲げています。

 ここでいう「KYOSO」とは「共想・協創・競争」の三つのことです。「共想」とは、顧客や社会の目線で、建物空間の現状と未来を仲間と共に想い、現場ならではの「気づき」を提案すること。「協創」とは、社内外での「つながり」を自ら生み出し、「ひらめき」をつなぎ合わせ、時代に先んじた新たな価値を協働して創り出すこと。そして「競争」とは、成熟した事業環境を認識し、一歩先を行くQCDS+E(品質・コスト・納期・安全+環境)を追求し続けることです。現時点は、その第1ステップ、「DX(デジタルトランスフォーメーション)を軸として、市場変化に対応し、独自価値を訴求する」ための基盤形成期だと考えています。

──現在の課題としては、何がありますか?

臼井 現在の建設・維持管理業界を取り巻く環境は、少子高齢化や若年建設労働者の不足など担い手の確保や働き方改革などを含めて、革新的な生産性向上が求められています。当社では、こうした課題を解決するため、DXツールの活用などで安心・安全なリモートワークを推進。現場作業が主体のため、完全なリモートは実現できませんが、NTTグループの提案するDX技術を積極的に導入し、現場での省力化を図っています。