2回目のトミー・ジョン手術は
「ハイブリッド手術」
<(記者)
2回目のトミー・ジョン手術で間違いないか?
(大谷翔平選手)
そうですね。ただまあその、なんていうんですかね、術式が前回と違ったりというか、前回とはまた違うので、そこをどういうふうに表現するかというのは、僕はもちろん専門外なところなので、そこはドクターの方が詳しいかなと思います。>
大谷選手の手術を担当したニール・エルアトラッシュ博士は、ロサンゼルスのカーラン・ジョーブ整形外科クリニックに所属し、トミー・ジョン手術における「スーパードクター」と言われている。
<エルアトラッシュ博士は、大谷の2回目の手術について、「従来のトミー・ジョン手術で行われるような腱(けん)の挿入だけでなく、断裂した靭帯を修復するために編んだ縫合糸を追加する、内部装具を含むハイブリッド手術だ」>(AP通信・3月15日)と、今回の大谷選手の手術内容を説明している。
「形を変えたドーピング」?
ハイブリッド手術が孕む倫理的な問題
大谷選手がかつて経験したようなケガに苦しむという心配よりも、むしろ、人工物の結合によってパワーアップが期待されることから倫理的な問題を呼び起こす危険すらあるもののようだ。
<(ハイブリッド手術を選択した方が)強度は増し、復帰する確率も高くなる>
<手術前よりも強い腱が移植され、以前よりも速い球を投げられるようになった場合、手放しで喜んでいいものかどうか。競技力が飛躍的に向上するのであれば、負傷しなくても手術を望む選手が出てきたりはしないか>
<「これは、形を変えたドーピングではないのか?」>
(引用はすべて「トミー・ジョン手術に潜むスポーツの危険性 ―大谷翔平の右肘は「部品」ではない」滝口隆司=文、2023年9月20日)
実際に、大谷選手は、ピッチングこそできないものの、オープン戦では目覚ましい大活躍をしている。今後は、痛くもない、負傷してもいない身体の部位をあえて「ハイブリッドのトミー・ジョン手術」を行い、速い球を投げることができるようになったり、陸上で足を速くする選手が現れる可能性があるということだ。
エルアトラッシュ博士の計画でわかる
大谷選手の順調な回復ぶり
とはいえ、そういった倫理的な問題が横たわっているものの、今年の活躍については申し分のない期待ができそうだ。
また、地元野球メディア「ドジャース・ネーション」(3月14日)では、<大谷翔平は2025年まで試合に登板しないかもしれないが、2024年の9月から模擬試合のマウンドで投げる予定だ><肘の手術は一般的に経過が遅く、大谷の投球プログラムに関する報告は少ない。しかし、エルアトラッシュ博士の計画は、たとえ試合の合間にチームメートに投げるだけだとしても、ドジャースがマウンドから大谷を見るのを2025年まで待つ必要はないことを示唆している>と報じており、ここからも大谷選手の順調な回復ぶりがうかがえる。



