結婚を発表したものの、お相手については詳しく触れなかった大谷翔平選手。世界の大スターの結婚相手が誰なのか、気になるのは人の性(さが)だが、昨今の状況を考えれば、伏せるのも仕方ないかもしれない。有名人が結婚相手の名を明かさないことの是非とは。(フリーライター 鎌田和歌)
日本人にとっての「スペシャルな人」が
「スペシャルな人」を宣言した衝撃
2月末、MLBロサンジェルス・ドジャースの大谷翔平選手が、突然インスタグラムで結婚を発表した。妻を表現した「very special to me(僕にとってとても大切な人)」は、早くも今年の流行語大賞候補だろう。
野球に興味がなくても大谷翔平のことはよく知っている、という日本人は少なくない。天性の才能はさることながら、その人柄の良さや、10代の頃からの堅実な努力(例えば高校生の頃の目標シート)など、誰の目にも非の打ち所がない特異性は繰り返し語られてきた。プロスポーツ史上最高額でドジャース移籍という華々しさと、日本全国の小学校へ6万個のグローブを寄贈するといった人間性の高さ。その両面を併せ持つのが大谷だ。
プロスポーツ界のスターには、プライベートの品行がよろしくない人も存在する。しかし大谷だけはその心配はないと、確信している人が多いだろう。それほどの期待と信頼感を背負って立つ29歳である。
大谷にとってのスペシャルな人は一人だろうが、かなり多くの老若男女にとって「スペシャルな人」であるのが大谷であり、だからこそその結婚発表は衝撃を持って受け止められた。
おめでたい半面、もう「大谷翔平が誰と結婚するのか」とああだこうだ予想して楽しめないことへのさみしさ。スペシャルな人がスペシャルな人を宣言してしまったさみしさ。それが結婚報告が日本にもたらした「大谷ショック」の正体である。