第3部 パネルディスカッション
「結局どこがいいのよ?アジア市場」

第3部は「結局どこがいいのよ?アジア市場」をテーマに、人気エコノミストでBRICs経済研究所代表の門倉貴史氏、藤沢久美氏、藍澤證券投資リサーチセンターの北野ちぐさ氏が徹底討論。ダイヤモンド社金融情報局編集統括部長の浜辺雅士が司会を務めた。

広域的なインフラ整備で
アセアン全体の底上げが進む

BRICs経済研究所代表 門倉貴史氏

 討論では、門倉氏が「世界経済を見渡した時に、いま一番元気がいいのはアセアン」と口火を切った。その背景にあるのは、中国やインドでの消費拡大、アセアンからの輸出増加。さらに地域全体では6億人の人口があり、そこから購買力のある中産階級が台頭し消費が拡大していること、積極的なインフラ整備も内需を押し上げることを説明した。

「かつては各国が個別にインフラ整備を行なっていましたが、最近では広域的になってきています。06年には日本のODAによりベトナムのダナンとタイ、ラオス、ミャンマーを結ぶ東西回廊、07年には中国の支援で雲南省昆明とバンコクを結ぶ南北回廊が完成しています。今後は、鉄道網や空港整備が進むので、ラクに移動できるようになるでしょう。これによってアセアン地域全体の物流の効率化が進み、域内での分業体制が進化して生産性も向上、地域全体のさらなる経済成長が期待できます」(門倉氏)と、アセアン全体の底上げを示唆した。

ハブとなるのはタイとインドネシア

藍澤證券投資リサーチセンター
北野ちぐさ氏

 では、「アセアンで進む分業体制の中核となる国はどこか」と藤沢氏が質問すると、門倉氏は昨年1年間の自動車販売台数が100万台を超えるなど消費拡大が続くタイとインドネシアの名前を挙げた。北野氏もそれに同意。

 「タイでは今後7年間に渡り、総額4兆バーツ(約12兆円)を投じて鉄道などの交通インフラを中心に整備が行なわれます。鉄道関連や建設、マンションディベロッパー、銀行、小売りなどが注目ですね。インドネシアでも11年5月に、総投資額4012兆ルピア(約36兆円)の経済開発加速・拡大マスタープランを発表。15年までに1人あたりGDPを1万5000ドルに拡大し、先進国入りを目指すとしています」(北野氏)と、両国のインフラ投資計画と経済効果を紹介した。

 北野氏は、09年以降の株式市場でタイ、フィリピン、インドネシア、マレーシアが大きく上昇し、「なかでもインドネシアの上昇が際立ったものの、昨年は経常収支が赤字に転落したこともあり一服感が出ています」と言及。これを受け、門倉氏は「世界経済の減速でインドネシアからの資源輸出が減少、一方、内需は堅調で輸入が増加したために経常収支が悪化しました」。すると藤沢氏が「内需が堅調なことで、海外要因に振り回されない成長が期待できるのでは?」と水を向ける場面も。「インドネシアは輸出主導から内需主導の経済に転換しつつあります。将来的には、内需中心で経常収支は慢性的に赤字の米国のような国になるでしょう」(門倉氏)と話した。

経済が強固になった今、
危機的な混乱は起こらない

 終盤には、アジア投資のリスクについても議論された。浜辺氏が、先進諸国の金融緩和でバブルが起きるリスクを問うと、門倉氏は「98年のアジア通貨危機当時に比べて経済のファンダメンタルズが強固になっていますから、投資マネーも成長セクターに流入していますね」とし、バブル発生の可能性はあるものの、アジア通貨危機のような混乱が起きる恐れはないと不安を払拭した。最後は、司会の浜辺が「アジア株式市場は、かつてのように一時的に資金が流入する市場ではなく、長期的な成長を期待し、継続的に資金が流入する市場になっています。分散投資の一環として、時間も投資対象も分散しながら、じっくり投資していきたいものです」と締めくくった。

真剣に耳を傾ける大勢の来場者からこんな声が!

●「日本株と中国株に10年以上投資し、他のアジア地域にも興味があって参加しました。アセアン地域の高成長が感じられて、投資してみたくなった」(48歳・男性)

●「アジア投資がブームでなく、今後も継続できるものだと確信しました」(29歳・男性・投資経験3年)

●「インドネシアが好きで昨年から投資しています。投資はしているものの、経済に詳しいわけではないので、勉強のために参加しました。自分でもいろいろ調べて、投資を続けたいと思います」(44歳・女性)

●「アジア経済を勉強したいと思い参加しました。藤沢さんのお話は、会社の海外進出を考える参考にもなりました」(41歳・男性)

【リスクと留意点】
●株式は、株価の変動などにより損失が生じるおそれがあります。●外国株式は、為替の変動などにより損失が生じるおそれがあります。●契約締結前交付書面をよくお読みください。●本案内の記載セミナーでご紹介する商品等の勧誘を行うことがあります。
【アジア株式委託手数料等(税込み)】
●対面口座:現地証券手数料(最大0.50%)と印紙税、取引所税等に、それらを含んだ現地取引金額に対し、藍澤證券手数料(最大0.84%)を乗じた額(但し、買付けの場合のみ現地取引金額が31万2500 円以下の場合は2625 円)●インターネット口座「ブルートレード」:現地証券手数料(最大0.50%)と印紙税、取引所税等+藍澤證券手数料(最大4200 円)●コンサルティングネット口座「アイザワプラス」:現地証券手数料(最大0.50%)と印紙税、取引所税等+藍澤證券手数料(最大1万2600 円)※市場により現地証券手数料は異なります。全て円決済の為、取引通貨に応じた為替コストがかかります。※ 現地証券手数料などは予告なく変更される場合があります。※ブルートレード、アイザワプラスでは、発注方法により委託手数料が異なります。

アイザワ証券
商号等:藍澤證券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第6号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
本社:東京都中央区日本橋1-20-3