転職コンサルタントが明かす
“新種”の出羽守の正体とは?

 結論から言うと、“新種”の出羽守は、企業でインターンとして働いている大学生です。

 大学生のインターンは期間が決まっているものが多いので、社会人の転職と同じように、「それまで勤務していたインターン先を辞めて、別の会社でインターンを始める」ということがよくあります。

 こうした際に、“前職”で経験を積んで自信をつけた大学生が、新しく働き始めたインターン先でこんな指摘をするといいます。

 「前の会社では、こういうやり方をしていました。御社の業務は、ここを改善すればいいのではないでしょうか?」

 従来型の出羽守は経験豊かなミドルクラス以上の転職者が中心でしたが、最近は「まだ社会に出ていない大学生」の中にも、前職を引き合いに出して現職にダメ出しする人が散見され、人事を悩ませているのです。

 出羽守と化した大学生は、自身の経験や人脈を誇示して「自分は他のインターン生とは違うぞ」とアピールしたいのかもしれません。ですが、そうした言動は、他の学生との関係性に悪影響を及ぼすだけでなく、受け入れる側の社員を不快にさせます。就職活動の時期を迎えて、インターン先の新卒採用を受けたとしても、マイナス評価につながるのは言うまでもありません。

 百歩譲って大学生のダメ出しが正しかったとしても、言われた側の人事や社員はどのような気持ちになるでしょうか。人間は「正誤」や「善悪」だけで物事を判断しない生き物です。「快・不快」も意思決定の大きな要素になります。当然ですが、「○○さんの言う通り、業務プロセスを変えよう」とはなりません。

 一方で、インターンという限られた経験に基づいたダメ出しなので、大学生の指摘が的を射ていないケースも多々あります。その場合は、「この子は単にマウンティングしたいだけなのかな?」と、さらに周囲から敬遠されかねません。

 実務経験を積もうと努力しているはずの大学生が出羽守になってしまう背景には、「謙虚さの欠如」や「周囲に対する敬意の欠如」があると思われます。たとえ高学歴で、大企業でのインターン経験があって、個人能力が高くても、これら2点が欠けたままでは社会に出てから大活躍するのは難しいかもしれません。

 それに気づかないまま社会人になると、経験を積んで転職した後に、再び「前の会社では~」とダメ出しし、周囲の反感を買うかもしれません。

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