自信を持って採用した人材であれば
時間が解決することも
最後に、私が経営するクライス・アンド・カンパニーの話をしておきます。
当社には戦略コンサルティングファームからの転職者がいます。彼は入社後すぐにいろいろなことに気付き、指摘や提案をしてくれました。その中の一つに、ミーティングに関するものがあります。
彼は特定の会議について、「わざわざ全員参加のミーティングを開かなくても、データを共有すれば開催の必要はありません」と、見直しを希望したのです。
ですが、そのミーティングは、社長である私が「担当者の顔を直接見ながら状況を把握する」ことを目的に開催していました。「一理あるけれど、私の考えとは違う」と感じたので、一旦は提案を却下しました。
すると、彼は当社への指摘を繰り返すのではなく、だんだん組織特有のルールを理解し、自発的にチューニングをするようになりました。
おそらく、彼自身がさまざまな経験をするなかで、当社に対する見方や感じ方が変わってきたのだと思います。それから1か月ほどの間に、周りとのコミュニケーションもうまくいき始めるようになりました。
一方で、私もそんな彼の変化を見ているうちに、1か月ほどで会議についての考えを変えました。全員参加のミーティングは続けていますが、報告内容を重要性の高い案件に絞ることにしたのです。それによって、従来と比べてミーティングの時間を3分の1くらいに短縮できました。
「転職する側」と「迎え入れる側」がお互いを受け入れ、組織力をアップさせるには、約1カ月の準備期間が必要だったといえます。
ですので、新たに加わった人材から何か指摘を受けたとしても、すぐに「出羽守だ」とレッテルを貼るのではなく、見守ることも大切かもしれません。自信を持って採用した人材であれば、自発的にチューニングをして活躍してくれるはずです。それまでに要した時間は、お互いを理解するために必要だったと捉えましょう。



