攻めと守りの両面から企業のDXを支援

――データが重要な社会の構築、データドリブンの共助モデルを実現するために、それぞれの専門領域において向かうべき方向性と、必要となるアクションについてお聞かせください。

村上 「仕組みは大きく抽象的に、取り組みは小さく具体的に」

 デジタル、DXに関するあらゆる取り組みには、どうしても、マクロかつ横断的な仕組みが必要です。しかしそのままではユーザーには伝わらない。その意義や使い方を、極力ミクロの取り組みに落とし込んで、一人一人の利用者がその体験を自分事化できるかどうかで勝負が決まります。

 マイナンバーカードがそうであるように、DXの基本には、企業、業種、分野を超えて、共通の認証の仕組みで横串を刺し、今までにないデータの振る舞いを生み出していくことが欠かせません。その仕組みをどの範囲まで広げることができるのかというマクロの仕組みは、逆説的ですが、それによって実現するミクロの取り組みをどれだけ見せることができ、いかに多くの人々の共感を得られるかで決まると言っても過言ではないように思います。

人口減少に立ち向かうデータ戦略 〜共助のモデルが創り出す新たな成長のカタチ〜

和田 先進国の中で人口が減少し始めたのは日本が最初で、これから日本がどういう道をたどるかが、世界の模範になるんじゃないかなと思いますね。

 私は今まで四十数年会社運営を行ってきましたが、一貫してきたことは基幹業務や会計業務にフォーカスして大きなビジョンを描いてきたことです。その中で、必要なテクノロジーを時代の変化に応じて取捨選択してきました。

 もう一つ、ビジネスで大事なのは選択と集中です。自社のミッションは何かを明確にし、そこに集中し、それ以外については、周りのパートナー企業の協力を得て、お互いが役割分担しながら一緒に社会貢献をしていくことです。

 各領域のグローバルなプロフェッショナルの方たちの声に耳を傾け、アドバイスを頂きながら、監査法人さんにもいろいろな形でアドバイスを受けて、それらを反映していくことで、強い信頼関係の構築とデータ活用を含む連携基盤の拡張を目指してまいります。

片倉 EYは「Building a better working world ~より良い社会の構築を目指して」をパーパス(存在意義)に掲げており、企業の長期的価値を高めていくための支援はその実践にほかなりません。多種多様なデータを使って、ビジネスをトランスフォーメーションしようという企業の動きが加速されるよう、CXO(CEO、CFO、CDO、CIOなど)の皆さまと各領域のデジタル分野に関するコミュニケーションを質・量共に増やし、ご支援したいと考えています。

 データガバナンスやデータセキュリティーで基本的に求められる、不正アクセス対策や情報漏えいなどの「守り」の側面はもちろん、和田社長がおっしゃったデータを使った他の企業との連携を実現する際に必要となる「攻め」の側面についても、デジタルガバナンスに関する付加価値の提供や、第三者としてデータや仕組みそのものに「確かさ」の評価や保証といった「デジタルトラスト」を付与することで後押しをしてまいりますので、引き続きよろしくお願い致します。

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