感情・認知・行動の三つの側面から「顧客エンゲージメント」を測定
インテージは「企業の持続的成長」には、「CXの持続的向上」が不可欠であると考え、CXとEXが好循環で回り続ける企業の姿を理想として支援している。
事業開発本部
エクスペリエンス・デザインユニット
ユニットディレクター
吉田祐介氏
「サーベイ結果の分析から施策に落とし込み、顧客と従業員のエンゲージメントを育みながら、CXとEXが相互に作用し合うグッドサイクルを回し続けることで、企業とCXの持続的向上を図ります」(吉田氏)
それを実現する要となるインテージグループ独自の「顧客エンゲージメント指標」は、企業活動のKPI(重要業績評価指標)をCX起点で測るためのサーベイだ。同社CXコンサルティング部の橋本正之氏は、その特徴として次の三つの構成要素を挙げる。
「一つは認知的次元で、『もっと知りたい』『調べたい』といった知覚に関する欲求や動機。二つ目は感情的次元で、『ドキドキする』『ワクワクする』といった感情に関する欲求や動機。三つ目は行動的次元で、『もっと使いたい』『長く使いたい』といった行動に関する欲求や動機です。この三つの側面から、サービスおよびサービス以外の体験を通じて形成される『企業と顧客の信頼関係』を測定しています」
CX調査によく用いられる他の指標、「顧客満足度(顧客の期待にどの程度応えているか)」や「推奨度(どの程度人に勧めたいと思うか)」「継続利用意向(これからも利用し続けたいと思うか)」との違いは、長期的な取引につながる「信頼関係」に焦点を合わせている点だ。
事業開発本部
エクスペリエンス・デザインユニット
CXコンサルティング部
橋本正之氏
実際、同社の研究事例によると、自動車ディーラーの顧客を対象に継続利用期間(10年以上の付き合いをしているかどうか)について「顧客エンゲージメント指標」と「推奨度」「顧客満足度」で調査したところ、顧客エンゲージメント指標が「長期的な関係構築について最も説明力が高い」という結果が出た。つまり、顧客とのエンゲージメントを育みながらCXの持続的な向上と企業の成長を目指す上では非常に重要な指標といえるわけだ。
設問については、業界ごとに基本的な質問項目を設定し、さらに企業ごとに「顧客とどのような関係を築きたいか」という方針などに基づいてカスタマイズしている。「質問設計をはじめ、どのタイミングでサーベイを実施するかといったことから分析レポートの提出、改善策の提案、効果検証までサポートしています」(橋本氏)。こうした伴走型支援も同社ならではの特徴だ。