高部 大きく三つあります。どこで効果を出し、その効果をどう拡大していくか――すなわち、二見さんが言及された攻めの仕組みの構築支援が一つ。アフラックのビジネス上の課題を解決するための、システムの設計・実装がもう一つ。最後の一つが、Aflac Assistを確実に使っていただくために現場を変える、業務・オペレーションの設計とトレーニング支援です。

二見 BCGは、DXについてもテクノロジーありきで提案することがない。そこに大きな信頼を置いています。グローバルでの保険業界の動向も加味し、私たちのビジネスの「今後のあるべき姿」を共に考えながら、それを実現するための手段として、生成AIを共に検討してくださる。

 また、今回はシステムの設計・実装まで担っていただいたのですが、BCGのデジタルケイパビリティの高さにも驚かされました。

高部 今、BCGには日本全体で1000人規模のコンサルタントがいるのですが、そのうち300人程度がテクノロジーをサポートできる人材です。データサイエンティストも数十人いる。私たちの目的は企業・事業変革のサポートですが、そのために必要ならばプロダクトの設計・実装も行うスタンスです。

 Aflac Assistであれば、今後のあるべき姿に向け、各業務とデータの使われ方がどう変わっていくか見越した上でプロダクトを構築する必要がありました。そういった“さじ加減”が求められる箇所は、私たちのチームが自ら実装に動いています。

二見 しかも、新たにリリースしたサービス(システム)の使用率を含め、数値目標をしっかりと設け、その達成に一緒に取り組んでくださいました。BCGに対して強く感じるのは成果へのコミットメントです。変革をやり切る意志を感じました。

アフラック流「生成AI活用術」の独自性、システムの汎用性より“成果重視”の真意とはアフラック生命保険
二見 通
取締役専務執行役員CTO CDIO※
ふたみ・とおる/旧アリコジャパン、旧AIGエジソン生命、米メットライフ、三井生命保険(現大樹生命保険)を経て2015年アフラック(現アフラック生命保険)入社。いずれの会社でも最高情報責任者などとしてシステム・業務改革を率いてきた。近年はデジタル技術を駆使し、新たな顧客サービスの創出やエコシステムの構築などにも積極的に取り組む。 ※CTOはチーフ・トランスフォーメーション・オフィサー、CDIOはチーフ・デジタル・インフォメーション・オフィサーの略

部門によっては
使用率100%達成

──実際のところ、Aflac Assistの効果のほどは。

二見 24年4月時点で、全社員の約50%が使用しているという成果が出ています。コーポレート部門の使用率は70%以上あり、監査部門では100%に達しています。業務の特性上、部門によってばらつきはありますが、使用率は毎月上昇しています。

 業務効率化の定量的な効果も確認できており、コールセンターのオペレーターの応答時における資料検索時間は、生成AIシステムの活用によって従来比約30%の短縮を実現しました。社内アンケートでは、社員による資料作成時間についても、同30~40%短縮しているという結果が出ています。

 想定通り、いや、それ以上の成果です。Aflac Assistは他のツールに比べて社内への浸透速度が速い。

 こうした業務の効率化によって、営業や新商品の開発に費やせる時間を創出し、お客さまに向き合う時間をもっともっと増やしていきたいです。

高部 誰しも、創造的な仕事がしたいのではないでしょうか。生成AIの活用などのDXをサポートし、企業に必要な変革の実現に貢献していきたいです。

●問い合わせ先
ボストン コンサルティング グループ
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町3-2-1 日本橋室町三井タワー25F
https://www.bcg.com/ja-jp/