両社の強みを生かして
業務用オイルソースを開発
BSPの三代康雄代表取締役とキユーピーの濱崎伸也取締役上席執行役員。協業で生鮮・CVS販路における持続的な成長基盤の確立を図る
その万城食品は、2024年4月1日付で、生鮮・CVS販路を管掌する販売会社「万城シーズニングパートナーズ(以下、BSP)」を設立。同時にキユーピーと業務提携契約を締結し、キユーピーはBSPへの出資も発表した。BSPの三代康雄代表取締役は新会社設立の理由について「両社間の堅固な協業基盤を確立し、両社の強みを結集した調味料や加工わさびを独自の発想で提供することで、お客さまの課題解決や生鮮食品業界へ貢献していきたい」と語る。
今回の新会社設立の背景には、生鮮食品業界における魚食需要の減少がある。水産庁による水産物消費の統計(令和4年度「水産白書」)によると、食用魚介類の1人1年当たりの消費量は23.2キログラムで、2001年度のピーク時の40.2キログラムに比較して大幅に減少している。「魚食の減少は、魚類は肉類と比べて価格が高く、調理が面倒、お子さまがいる家庭にとってはボリューム感が乏しいなどの理由があります。けれども鮮魚売り場で魅力的な商品を提案し訴求できれば、魚食の需要は喚起できると考え、その点においてはキユーピーも以前より同じ思いを持っておられました」(三代代表取締役)。
BSPは第1弾として、漬け魚に使用する「バター醤油」「生姜ねぎ塩」「バジル」の3種の業務用オイルソースを開発、24年秋から順次発売する。これらの商品は、BSPが持つ漬け魚商品の"評価基準"と、キユーピーの内・中・外食のコア技術を生かした商品開発力のシナジーによって生まれたものだ。