「当社の評価基準とは、現場での作業性や、店頭での漬け込みから食卓までの経過時間による色味や食味・食感の変化の少なさなど、長年の鮮魚売り場へのルート営業や直商談で培われたナレッジ。業務用オイルソースの開発に当たっては、消費者に評価される"つぶ感"を大切にしながら、食味と作業性を両立するバランスを重視しました。販売に当たっては、食材(鮮魚+野菜+たれ)を活用した商品を提案するなど、食材の組み合わせにより栄養価がアップする『フードシナジー』という考え方を取り入れ、健康カテゴリーの訴求をしていきます」と三代代表取締役。鮮度維持が難しい魚類に新開発のオイルソースを使うと、漬け魚にする際の作業性が上がるだけでなく、食感やうま味が高まる、時間が経過した際の評価も向上する。

「わさび」と「マヨネーズ」の会社が業務提携。魚食の需要を創出する食べ合わせで栄養価がアップする「フードシナジー」を取り入れたメニューの提案も行う。「BKバジルオイルソース」を使用したイカとブロッコリーのバジルソース和え(写真左上)は、動物性タンパク質+食物繊維の組み合わせだ
拡大画像表示

消費者の魚離れを解消、
新規顧客の取り込みを図る

 三代代表取締役はこれらの新商品で、鮮魚売り場の課題解決を目指したいと語る。消費者の魚離れや売り場のマンネリ化を解消、健康軸の商品訴求の遅れを取り戻し、若年層を含む新規顧客の取り込みを図る。BSPでは鮮魚売り場をウオッチする店頭マーケターを年内にも投入する。これまでもルート営業がもたらしていた店頭情報のスピード、質をより高めた上、現場からの迅速な情報提供を可能にするためだ。そのデータを基に不安定な漁獲量を事前に把握し、代替魚種のメニューを考案し価格の乱高下を抑える提案なども行う予定だ。

 新商品が鮮魚売り場に導入されれば、漬け魚(焼き魚)や鮮魚総菜パックなどトレーパックの新たな需要が創出され、食卓のバリエーションは拡大する。消費者の選択肢が増えて、鮮魚売り場はより活性化するはずだ。BSPでは販路の拡大をベースに、第1期中期ビジョンの下、単独売り上げ90億円、グループ連結売り上げ100億円を目指す。

「今回のBSPの設立は、万城食品にとって創業以来の大きな挑戦。鮮魚売り場に新たな価値を提案し、生活者の健康づくりにも貢献していきたい」と三代代表取締役は意気込む。

●問い合わせ先
株式会社万城シーズニングパートナーズ(BSP)
東京都中央区日本橋茅場町2-12-10 H1Oビル410
TEL:03-5614-0392
https://bsps.co.jp/