情報を扱う事業
だからこそ各工程を
第三者の目で評価

 LCMサービスは委託企業にとって大きなメリットをもたらすが、リスクもある。企業の生命線である「情報」を記録したPCの廃棄というプロセスを伴うからだ。そこでLCMサービス提供企業は、データを完全に消去するノウハウやスキルに加え、第三者のチェックを受けた高度なセキュリティー体制を確立する必要がある。

 アンカーは1993年の創業当初からPCや周辺機器を扱う中古市場に参入し、PCの引き取り・データ消去・廃棄、中古PC販売、部品の再利用というプロセスを30年以上にわたって手掛け、同業他社にはないノウハウを蓄積。「コンプライアンスを制する者が中古業界を制する」という碇CEOの考えの下でコンプライアンス経営を実践してきた。

「当社のようなリサイクル業者・産廃業者がお客さまの信頼を得るためには、工程ごとに第三者が見て評価できる仕組みを作ることが欠かせない」と、創業わずか6年後の99年には環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO14001認証を取得。以後、複数のISO認証を取得するとともに、電子機器の適切な廃棄物処理とリサイクルに関する国際認定資格「R2」を2016年に日系企業として初めて取得(現在は最新版R2v3を取得)して、「第三者が見て評価できる仕組み」を構築した。社内にはセコム監修による強固なセキュリティー体制を確立し、PC廃棄時の情報漏えいリスクを極限まで減らしている。