ユーザーが支払う
成約手数料は3.3万円
ユーザーの「セルカ」への参加は簡単だ。①売りたい車の無料査定をホームページのフォームや電話で申し込む。②自宅(※2)で「セルカ」の査定員に30分~1時間程度の査定を受ける。③査定内容を確認後、査定員がオークション(セルカ)への出品手続きを行う。ユーザーはオークションの開始を待つのみ。④ユーザーはネットを通じて車の競りの様子を見つつ、最高額に納得ができれば入札したバイヤーへ売却、という流れだ。
希望売却価格に届かず安値で競り落とされてしまうのではないか。そんな気掛かりに対して、田畑社長はこう答える。
「お客さまは『この金額以上であれば売ります』という“売り切り価格”を設定して出品します。売り切り価格の設定に迷った場合、査定員がAAのデータを基にアドバイスをするので、不本意な金額で売れてしまうことはありません」
事前にディーラーや一括査定業者から“相見積もり”を取っておき、最高額を売り切り価格にする方法もあるが、一般的な傾向として売り切り価格はやや低めに設定した方が競りが白熱して高値が期待できるそうだ。バイヤーに「良質車を安く落とせるのではないか」という心理が働くからだという。
ディーラーや買い取り店では敬遠されそうな希少車も「セルカ」の得意分野だ。欧州ブランドの高級スポーツカーや国産のマニア向け少量生産車、旧車、カスタム車などの希少車を狙うバイヤーも多く参加しており、「こうした車はめったに市場に出てこないため、この機会を逃したくないと思うバイヤー同士が熱く競り合って、驚くような値段が付くことがあります」(田畑社長)。
とはいえ、いくら高値で売れても、手数料が高ければ元も子もない。「セルカ」の規約では、オークションへの出品は無料。オークションで成約するとユーザーは成約手数料として税込み3万3000円(※3)を支払う。
万が一、売り切り価格を超えなかった場合は、無料で取引をやめることができるため、ユーザー側のリスクはないといえそうだ。
売却代金の支払いが担保されているかどうかも気になるだろう。田畑社長は、売却代金が安全にユーザーに支払われるための「セルカ」独自の仕組みをこう説明する。「落札した業者はお客さまが車を引き渡すまでに当社に代金を振り込まなければなりません。振り込みを確認すると当社は業者にユーザーの情報を開示し、その情報を基に業者や陸送業者が車を引き取りに行きます。引き渡し日を含む7日間の現車確認期間を経て、当社がお客さまに代金を振り込みます」。
査定時から状態が大きく異なる場合やユーザーの申告事項に誤りがない限り、落札金額が修正されることはない。このような「セルカ」が代金を一時預かりする仕組みがあることで、ユーザーも業者も安心して取引ができるわけだ。