毎年1000人規模が入学。日本最大のMBAコミュニティを活用し、ビジネスも飛躍

 グロービスについて特筆すべきは、同じ目的意識を持ちつつも多種多様なビジネスパーソンが数多く集うため、広範な人的ネットワークを構築できること。このネットワークは卒業後も継続できるように仕組み化されており、自らのキャリアを発展させるための一生涯の基盤となっている。

「まさに、この人的ネットワークこそがグロービスの強みの一つ。これだけ変化が早い時代だからこそ、一人きりで学ぶことには限界があり、その領域に詳しい人に聞いてしまった方が解決は早くなる。人的ネットワークを生かすことができれば、仕事の質は劇的に変わるんです。多種多様なプロフェッショナルが集うからこそ、多方面からサポートを得ることができる。毎年約1000人規模の入学生をお迎えしているグロービスだからこそ、同期として横のつながりをつくりやすいと思います」(君島朋子氏)

98.1%が「人生の選択肢が増えた」と回答。なぜ今、 エグゼクティブがMBAに注目するのかグロービス経営大学院 君島朋子
グロービス経営大学院 経営研究科 研究科長(日本語MBA)/学校法人グロービス経営大学院 常務理事
マッキンゼー・アンド・カンパニーにて、食品、通信、医薬、金融、インフラなどの各企業への戦略・組織コンサルティングに従事。その後グロービスに参画し、現在はグロービス経営大学院研究科長として企画運営を統括。教員としては、思考領域・ヒト領域の科目を担当する。 キャリアデザイン学会・日本労務学会会員。 株式会社ラポールヘア・グループ社外取締役。 共著書に『ビジネススクールで教えている武器としてのAI×TECHスキル』東洋経済新報社、共訳書に『一流ビジネススクールで教えるデジタル・シフト戦略』ダイヤモンド社。

 グロービスでは、そうした人的ネットワークを築くための様々な仕掛けがリアル・オンライン共に多数用意されている。

 まず、入学生はそれぞれ30人程度のセクションに所属する。このセクションが2年間の学生生活を共にするホームクラスのような役割を果たしており、約1000人の入学同期の中でも特にコアな仲間ができる。セクションは「EMBA(エグゼクティブMBA)」/「TMBA(テクノベートMBA)」と、それぞれのトラックごとに設けられているため、「EMBA」を選択すればより自分と近いエグゼクティブ層との出会いに恵まれやすい。

 このほかにも授業終わりに開催される懇親会や、復習会・予習会といった学生有志による勉強会、クラブ活動やイベントなど、セクション以外の仲間の輪も広がるチャンスは多い。それらを通じて互いに高め合う関係が育まれることも、人的ネットワークの大きな魅力だ。

 授業は各自のキャリアプランやリアル/オンライン・平日/土曜といった希望の受講形態に応じて選択でき、振替制度もあるため、多忙なエグゼクティブ層でも続けやすいのが特徴。

 例えば、普段は東京校に通って授業を受けていたとする。1科目につき授業は6回あるが、もし仕事などで都合が合わない場合、何回でも別の曜日やオンラインクラスに振り替え可能だ。また、もし名古屋や大阪に出張することがあれば、名古屋校や大阪校で授業を受けてもいい。全国の主要都市、それも駅直結というアクセス抜群の立地にキャンパスを構えているのもグロービスならではだ。

実務家教員率100%。ビジネスの第一線で活躍する教員から深い学びを得る

 グロービスの教壇に立つのは、前川氏のようなビジネスの第一線で活躍する現役の実務家が100%という状況。教員たちは皆、経営に関する体系的な知識はもちろん、経営者やコンサルタントとしての実務経験や専門分野の知見を持ち合わせるプロフェッショナルだ。

 経験豊富な教員から直接学べるというメリットはもちろんのこと、教員やクラスメートも一実務家なので、対等な立場でビジネスについて語り合うことができる利点は大きい。特にエグゼクティブ層同士ともなると似たような課題にぶつかりやすいため、より具体的・現実的なアドバイスをもらえたり、悩みを言葉にすることで新しい視点を得たりと、問題解決能力の向上に役立つ要素が満載だ。

「経営者の立場になったときの疑似体験ができることも非常に良い点です。戦略や会計・ファイナス、組織の動かし方などを、実務家教員やエグゼクティブである仲間たちと一緒に学ぶことで、経営者目線で物事を考えられるようになるからです」(前川氏)

 例えば「EMBA」の優先履修可能科目である「テクノベート・ストラテジー」。「テクノロジー」によって、ビジネスを「イノベーション(革新)」していく、まさに今の時代(=テクノベート時代)にふさわしい企業の成長戦略や思考を身に付けるための科目だ。今多くの企業がDXを標榜して様々な取り組みを始めているが、そのほとんどは、従来の戦略の定石や考え方をベースに情報技術を取り入れるレベルにとどまっている。それでは、デジタルテクノロジーが主導する劇的な変化には対応できない。

「テクノベート・ストラテジーは、エンジニアを目指してプログラミングを学ぶものではありません。その目的は、今まさに巻き起こっている産業構造の変化、競争原理や経済性を理解し、最新のデジタル技術を踏まえて戦略を立てられるようになることです。授業では、回を追うごとに学生自身が携わる事業やサービスのデジタル・トランスフォーメーション戦略を作り込みます。AIを使ってビジネスをどう変革できるのか、経営者の立場できちんとビジョンを描き、エンジニアの方々と同じ目線で議論できるようになることが大切だと思っています」(前川氏)