実は「決定会議」は全体の約18%しかないんです。

 あとの約8割は、情報共有とアイデア出し(ブレインストーミング)です。

 優秀な成果を上げる組織は、日常の「今、ちょっといいですか?」という質問や相談の頻度が、うまくいっていない組織に比べて4.5〜6倍高いことが分かっています。

 つまり普段からコミュニケーションが取れていれば、リアルでもチャットでも気軽に相談でき、進捗状況の報告や相談、情報共有も円滑で、状況把握のための余計なオンライン会議やミーティングを減らすことができます。

 しかも、実はオンライン会議参加者の約41%が会議中に内職をしています。会議の意味も、自分が参加する意義も感じられないので、カメラもオフにして、ただ「参加しているだけ」なのです。こんなに無駄なことってないですよね。

コミュニケーションと“臨場感”の不足が
オンライン会議を非効率化する

——ではオンライン会議の効率を高める方法はありますか?

 カメラのオンが有効です。

 日本人は、何か言いたそうな人を察して話を聞いたり、伝わるタイミングを見計らって発言したり、空気を読みながら「感情共有」をしたりしています。また、優秀な人は、表情やボディーランゲージなどノンバーバルの情報でも場の空気をつくり、会議をファシリテートします。

 しかし、カメラオフの会議では空気を読むための情報量が圧倒的に減ってしまいます。

 私は、会議室にいる人だけで盛り上がってしまう状態を「リモート参加者の孤立問題」と呼んでいます。表情やしぐさから感情共有ができていないと、リモートで参加している人は発言や判断を控えてしまい、感情や情報を共有できない傾向にあります。

 弊社クロスリバーの調査でも、トップ5%社員は5.5〜5cmほど深いうなずきをすることで言葉を発さなくても合意形成を促しているんです。そのくらい視覚情報は重要で、会議や商談でもカメラをオンにすることがお勧めです。

3万2012時間分の会議を分析して分かった!デキる社員が実践しているオンライン会議を効果的にする技クロスリバー
越川慎司代表取締役CEO(最高経営責任者)
同社は優秀なビジネスパーソンやチームに共通する行動習慣をデータで洗い出し、企業の働き方改革や生産性向上の支援を行っている。また、社として週休3日の働き方を実践している。

——ほかに質の高いオンライン会議の実現には何が必要ですか。

 究極の理想はリアルの会議をオンラインで再現すること。議論に没入できるような【臨場感】があれば、一気に自分ごと化でき、会議への意欲が高まります。

 最近ではテクノロジーが進み、高精細な映像とクリアな音質で、リアルの会議と同じような臨場感を再現するオンライン会議向けデバイスがあります。それが「Poly」です。

3万2012時間分の会議を分析して分かった!デキる社員が実践しているオンライン会議を効果的にする技PolyとパソコンをUSB接続するだけで、「Zoom」「Microsoft Teams」「Google Meet」などを使ったビデオ会議が開始できる。PolyのUSB接続ビデオバー(上記2製品)は「4K/視野角120度」のカメラを装備するほか「自動カメラフレーミング機能」「音声ノイズ除去機能」を搭載し、高品質な画像・音声による会議を実現する。小さめの会議室には「Poly Studio R30」がお薦めだ。(上)Poly Studio USB 12万4080円(税込み/HP希望販売価格)、(下)Poly Studio R30 10万8570円(税込み/HP希望販売価格)

質の高いオンライン会議が
商談を成功に導く

——「Poly」が再現する【臨場感】について、詳しく伺えますか?

 臨場感を再現する上で重要なのは、会議室全体をカバーするマイクと、広角のカメラです。会議室ではいろいろな人が話しますから、「誰が話しているのか」が音の位置関係と映像でフォローされることが大切です。その上で、解像度と音質が高いことによって、会議室にいるメンバーがどんな感情でいるのかをストレスなく明快にキャッチすることができます。

 また、オンライン会議の集中力を妨げる主な原因は音質です。特に、会議室の外の声や空調の音など、不快な雑音が入ることでストレスを感じ、没入感が損なわれます。「Poly」はノイズキャンセリングの性能が高く、人の声だけをきれいに拾ってくれる点がユーザーから評価が高いです。

——ではオンライン商談において「Poly」にはどんなアドバンテージがありますか。

 商談はまさに感情の共有と情報伝達の場です。空気感が伝わりづらいオンラインならなおさらクリアな音声は基本ですし、本気度を伝えるためには高解像度の映像で表情やしぐさからも情報を補う必要があります。

 また、商談ではどれだけ腹を割って話しているかを見せないといけない。会議室全体を映せる「Poly」でまず自社メンバーの自己開示をすることにより、一気に感情共有が進んで、商談が動きだします。

――個々のパソコンでは難しいですね。

 パソコンに搭載されたカメラやマイクで質の高い会議を実現しようにも、パソコンそのもののスペック、CPUとかメモリーに依存してしまうので限界がありますよね。

 また「誰でも簡単に」「失敗なく」会議をスタートさせることができることも重要だと考えます。商談の成功の鍵は初動にあります。「オンライン会議あるある」ですが、システム立ち上げの際のバタつきって印象が悪いんですね。

 その点、「Poly」はビデオバーをUSBでパソコンに接続するだけで、パソコンのスペックにかかわらず、音声・映像共に質の高いオンライン会議を実現してくれます。

「小会議室向け」か「大会議室向け」か、どちらかのソリューションに特化するメーカーが多いですが、マーケットリーダーである「Poly」はラインアップが複数あり、手頃で簡単なUSB接続ビデオバーのほかにもさまざまなタイプの会議室に対応できるモデルがあるため、一括導入すると、一括サポートを受けられる点も魅力だと思います。

 機器を統一することで操作が容易になり、セットアップのトラブルを回避できます。オンライン会議では、こうして失敗確率を下げることが成功のポイントなのです。

――映像から伝わる情報量の大きさについて勉強になりましたが、カメラのオンオフが任意の場で、オンにさせるためのヒントを教えてください。