一部の大企業でもない限り、東京都心の商業地にハイクオリティーなオフィスビルを持つことは不可能に近い。しかし、その既成概念を覆し、不可能を可能にしたソリューションがある。ボルテックスの「区分所有オフィス®」である。宮沢文彦社長は、区分所有オフィスによって多くの“100年企業”を創りたいと言う。その真意と戦略を聞いた。
ボルテックス
宮沢文彦
代表取締役社長 兼 CEO
宮沢文彦
代表取締役社長 兼 CEO
経営に新常識をもたらし富の再分配を実現することにより、社会における格差の拡大とそれによる分断を是正する──ボルテックスのパーパス(存在意義)である。宮沢文彦社長は、なぜこう定めたのか。
「資本主義経済において格差は年々激しくなっています。特に欧米では、多くの分野で格差による分断が起きている。国内の不動産マーケットも同じ状況に陥っており、大手不動産会社がさながら陣取りゲームのように東京の中心地にテリトリーを広げている。街づくりの視点ではそれは悪いことではありませんが、富の分配という観点では大手や外資のみに集約されると格差が拡大し分断が進んでしまう。それを是正したいという強い思いがあります」
“格差と分断”は、東京と地方の間でも一極集中と過疎という形で進行している。地方の優良企業は、地元に根を張って成長し一定の存在感を示しているが、この先も地方に成長機会があるかというと見通しは明るくない。
そこで宮沢社長は、蓄えた地方の富を東京のアセットに投入し大きく膨らませて地方に戻し成長の種を作る。もしくは地方経済の維持に役立てて1社でも多くの100年企業を創出するという「100年企業戦略」を打ち出した。