「区分所有オフィス」の
さまざまなメリット

 100年企業戦略のコアとなるのが、同社の「区分所有オフィス®」だ。区分所有オフィスとは、東京都心の商業地に立つ中規模オフィスビルをフロアごと、あるいは区画ごとに分譲する商品。小規模ビルを1棟購入した場合と同等の予算で、より好立地・高品質でグレードの高いオフィスを購入できる。

企業価値を高め、安定収益を得る「区分所有オフィス」という経営戦略国際都市・東京の中枢を担うオフィスエリアに位置するVORT 東京八重洲maxim

 宮沢社長が区分所有オフィスの特徴を説明する。「東京都心のオフィスビルは大手が開発する大規模の物件が増えており、地方企業や経営者などの個人の財力で購入できる小規模ビルはテナントの獲得競争において相対的に不利になっています。一棟が100億~200億円クラスの中規模ビルなら競争力が保てるのですが、そこまでの負担は中小企業や個人には難しい。そこで私たちは、中規模のオフィスビルを当社が一括購入したうえ区分所有という形で購入しやすい価格で提供する、というソリューションを用意しました」。

 区分所有オフィスは、地方企業が持つ富を東京に投資する手段になり、自社の東京オフィスとして活用することもできる。また、メリットは購入のしやすさだけではない。仮に100億円を投じて地方企業が自社ビルを建てることができたとしても、維持管理に関する意思決定が必要になり、少なからず本業に影響がでる恐れがあると宮沢社長は指摘する。区分所有であれば、ボルテックスが長期修繕計画に基づいたプロパティーマネジメントを提供するため、100億円級のビルの利点を享受しつつも意思決定に取られる時間がなく、突発的なコストが発生するリスクも少ない。

企業価値を高め、安定収益を得る「区分所有オフィス」という経営戦略東京駅グランルーフが見渡せるフロアからの眺望(写真上)。高級感のあるエントランスと窓が広く採光のよい広々としたフロアも特徴

 さらに売却時にもメリットはある。「1棟ビルが値上がりした際に売却すれば利益を手にできますが、その後は賃料収入というフローがなくなってしまう。しかし、複数の区分所有オフィスを保有すれば、値上がり時に一つを売って利益を手にしても残りがフローを生み続ける。本業の経営環境に連動しない収益と、売却可能な資産の確保が可能になります」。

 売却に時間がかかる1棟ビルと比べて、区分所有オフィスは流動性も高く、複数保有することで相続もしやすいというメリットもあるのだ。