特許庁の出身者をそろえ
IP情報分析で企業を支援
林 一好副所長
そうした包括的な業務の遂行をしっかり支える土台があるのも同事務所の特徴である。幅広い専門的背景を持つ70人もの弁理士が在籍し、うち約20人が特許庁出身者だ。特許、商標、意匠の審査や、審判・裁判を経験した特許庁出身者の存在は大きな強みとなっている。
また、AIやライフサイエンスはもちろん、さまざまな技術の特許権利化に強みを持ち、的確な技術理解に基づく知財、さらには標準も視野に入れた戦略作りを支援する体制(コンサルティング)を備えている。知財の価値評価や技術動向の調査・分析に対応する能力も高く、最先端のビジネス対応力を有する。
「当事務所は、日本にまだ知財戦略という言葉が浸透していなかった時代から、IP情報の可能性に注目し、その分析手法や活用方法の開発にチャレンジしてきました。正林真之所長が登録商標を保有する『IPランドスケープ®※』は、収集したIP情報を軸として、事業、製品、サービス、財務、その他の非IP情報を総合的に加味しながら、企業の技術動向やトレンドなどをビジュアル化するもの。直感的に業界の動きを把握することができるので、経営層の経営判断に役立ち、知財経営戦略の策定のための基礎資料となります」。と、同事務所の林一好副所長は話す。
最近はその「IPランドスケープ®」の機能をさらに高めるため、経営視点のPPM(ポートフォリオ・マネジメント)を掛け合わせた「IPPM®※」分析を提供している。この「IPPM®」を用いた分析では(下図参照)、市場の魅力度(特許出願伸び率)を縦軸に、相対的市場シェア(特許の出願件数)を横軸にしたマトリクスを作成。どの技術分野に成長性があるのか、どの技術分野の競争率が低く勝率が高いか、などを直感的に判断できる。
「この『IPPM®』を使うと、客観的に自社の技術の競争力を把握することができます。技術部門が自信を持っていても、実は転換すべき領域(負け犬)であったり、成長性のない技術だと思っていても、伸び率が高い新技術領域であることが実感できたりします。自社のビジネスの現状が明確に見えるため、伸ばすべき領域や穴のある領域のみならず、見切っていい領域までも直感的に把握することができる。この『IPPM®』は、知財マネタイズに役立つほか、投資先企業の探索でも活用できます」(藤戸部長)
※「IPランドスケープ」「IPPM」は、正林国際特許商標事務所所長が権利保有する登録商標