補聴器はQOLの
改善に貢献できる

 マキチエの自社開発製品はデザインや性能で高い評価を得ているが、平松社長は自社・他社を問わず、「患者さまに最適な商品を提供する」ことを最も重視している。それはなぜか。「補聴器が患者さまのQOL(生活の質)の改善に貢献できるからです」。

 下図を見ていただきたい。日本補聴器工業会が調査主体となった「JapanTrak 2022 調査報告」によると、補聴器がQOL改善に役立っているかという質問に対し、86%の使用者が「結構役に立っている」または「時々役に立つ」と答え、改善を実感している。

「難聴を放っておくと、ビジネスパーソンであれば仕事上のコミュニケーションが取りにくく、質の高い仕事ができなかったり、役職に就けなかったりします。有能な人材を活用できないことは、会社にとっても大きな損失です。その深刻な問題を補聴器で解決できるのです」と平松社長。

 私生活でも周囲の音が聞こえにくく危険を察知する能力が低下したり、コミュニケーションが取りづらいことで孤立したりすると、うつ状態に陥りやすくなったり、認知症になったりするリスクが高まるという研究結果もある。何度も聞き返されたり大声で話したりしなければならない家族や友人もストレスを感じるだろう。