何年にもわたり米自動車市場を悩ませてきた在庫不足は、24年に緩和された。選択肢が広がる中で、米国の消費者はより手頃な価格の車種やリースに注目するようになった。リース販売台数は急増し、米国の新車販売全体の4分の1近くを占めるまでになった。

 アナリストは25年について、販売は小幅に増えるものの、潜在的な懸念材料もあるとみている。新車は依然として高価だ。とりわけ自動車ローンの金利が高く、月々の返済額は平均で750ドル(約11万8000円)を超えている。

 EVへの移行は、多くの業界幹部が予想していたペースでは進んでいない。加えてドナルド・トランプ次期米大統領が提案する、カナダやメキシコからの輸入品への高い関税が業界を混乱させ、最も安価な類いの新車をはるかに高額にする恐れがある。

 25年に向け、米自動車業界に関する重要な点を以下にまとめた。

販売店の在庫増加

 販売店で購入可能な車の数は、新型コロナウイルス流行時の低水準から回復し続けている。当時はサプライチェーン(供給網)の混乱で米国内の販売店で在庫数が減少し、21年終盤には約100万台となっていた。だがウォーズ・インテリジェンスによれば、先月時点で在庫数は約270万台にまで回復した。

 自動車メーカーは生産の回復に伴い、販売を持続させるため、キャッシュバックや低金利ローンといった販売促進策を増やしている。JDパワーのデータによると、購入者が受け取ったインセンティブは、先月には平均で3400ドルと、前年同月比で25%増となった。

ローン返済額は依然高水準

 新車価格の上昇は落ち着いたものの、月々の返済額はそうではない。その主因は高金利にある。車購入サイト「エドマンズ」によると、新車ローンの月々の支払額の平均は、11月時点で753ドルと、前年同月の738ドルを上回っている。

 米連邦準備制度理事会(FRB)が24年終盤に短期金利の引き下げに動いたものの、これまでのところ自動車購入者に大幅な負担軽減をもたらしていない。エドマンズのデータによれば、新車ローンの金利は7%前後、中古車ローンの金利は11%前後で推移している。

ハイブリッド車の見通しは良好

 米自動車市場でのEVのシェアは拡大し続けているが、調査会社コックス・オートモーティブによると、24年に最も大きな伸びを示したのは従来型のハイブリッド車だった。

 トヨタの「カムリ」、ホンダの「シビック」といった人気のガソリン車のハイブリッド版は、ガソリンエンジンの燃費向上を目的に小型電池を搭載している。このような車は、プラグイン式での充電や電気のみでの走行をすることがないため、消費者は運転方法を変える必要がない。

 ハイブリッド車分野のけん引役となっているトヨタは、同社の米国内での昨年のハイブリッド車とEVの販売台数が50%以上増加し、全販売台数の43%を占めたと発表した。

 北米トヨタのゼネラルマネジャー、デービッド・クリスト氏によれば、SUV「RAV4」のような人気車種のハイブリッド版は、ガソリンエンジン版よりも平均約2000ドル高いにもかかわらず、ガソリン車よりも売れ行きが良いという。

 クリスト氏は3日のインタビューで「人々はハイブリッド車には(ガソリン車よりも)高い代金を払う価値があると考えている」と語った。

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