2025年の投資先どうするかPhoto:Spencer Platt/gettyimages

 新年の始まりはいつも投資家にとって課題となる。戦略とポートフォリオを見直す機会だからだ。

 2025年は特に難しい年となる。ドナルド・トランプ氏が1月20日にホワイトハウスに復帰することで、投資家は多くの政策変更を予想している。その中には、移民規制の強化、企業規制の緩和、2017年の減税措置の延長、関税の引き上げなどがある。

 さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)は利下げを続けると予想される。株式のバリュエーションは、特にテクノロジーや通信サービスなど成長の早いセクターで割高に見える。

 つまり、投資家が注視すべき点は多い。金融の専門家10人に市場と経済の見通し、投資家への提言を聞いた。

1.マグニフィセント・セブンを超えて

 ゴールドマン・サックスの米国株チーフストラテジストのデービッド・コスティン氏は、2025年は市場の上昇銘柄が増えると予想している。これまで数年間は、グーグルの親会社アルファベット、アマゾン・ドット・コム、アップル、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、エヌビディア、テスラという超大型株「マグニフィセント・セブン」が市場を支配していた。 

 マグニフィセント・セブンの24年のパフォーマンスはS&P500種指数の他の銘柄を34ポイント上回ったが、コスティン氏は25年にはその差が7ポイントに縮小すると予想している。マグニフィセント・セブンと他の銘柄との利益成長率の差は「劇的に縮小している」という。 

 それでも投資家はマグニフィセント・セブン株に資金を配分すべきだが、他の銘柄、特に中型株(時価総額が50億~200億ドル)にも注目すべきだとコスティン氏は述べる。中型株企業は負債の約25%が変動金利であるため、さらなる利下げの恩恵を受けるはずだという。

 コスティン氏はまた、人工知能(AI)関連銘柄が初期のインフラ構築段階――半導体企業、データセンター不動産投資信託(REIT)、セキュリティーソフトウエア企業などが恩恵を受けた――から、「AIの広範な採用によって収益が向上する企業」の段階に進化していると指摘する。

 その段階にある企業には、アップル、アドビ、セールスフォース、サービスナウ、スノーフレイクなどが含まれるという。これらは、AIが定着するにつれて恩恵を受けるとゴールドマン・サックスが予想する30銘柄に含まれている。