病院機能を止めるな!困難を極めた再開発

 安藤担当課長が現在担当しているのは、「虎ノ門二丁目地区」の再開発だ(地図参照)。2008年度に地権者の協議会から再開発の事業化検討の要請を受け、再開発が動きだした。

ビジネス街の虎ノ門界隈を最先端の都市に再生するキーパーソンの役割とは虎ノ門二丁目地区周辺には赤坂インターシティなどがあり、ビジネスや居住、観光と多様なニーズを満たす
拡大画像表示

「虎ノ門二丁目地区」再開発の難しさは、都内有数の高度医療機関である虎の門病院や旧国立印刷局、共同通信会館が含まれ、これらの施設を含む街区の機能を止めることなく再開発を進めていくことが求められたことだ。

「街区内の各施設は老朽化が進み、旧虎の門病院は環状2号線の拡幅工事による機能縮小の影響もあり、各地権者は建て替えの必要を感じていました。しかし、病院は建て替えにより機能を止めることができない施設であり、街区内の他の施設も機能継続の必要性から単独での建て替えが難しい状況にありました」と安藤担当課長。

 そこでURは大胆な策を講じる。それは、先行して旧国立印刷局を解体し、その跡地に新病院棟を建設。医療機能を移転させた後、旧病院を解体し、業務棟である地上38階地下2階の虎ノ門アルセアタワーを建設したのだ。