プロジェクトの成功はURの実現力に懸かる

16年度に病院棟の工事が始まり19年度に完成。続いて20年度に業務棟の建築に着工し、24年度に完成した。
「この複雑なパズルを解くためには、URが手掛けた、老朽化した建物を連鎖的に建て替える大手町連鎖型都市再生プロジェクトなどのノウハウが役に立ちました」(安藤担当課長)
病院棟と業務棟は都市の防災性を強化するため、災害時には連携して治療・収容拠点として機能する仕組みが組み込まれている。
「業務棟の屋上には防災ヘリポートを造り、負傷者を素早く病院棟に搬送するルートを確保しています。また両棟で連携してトリアージや治療を行う空間、要治療者や帰宅困難者の収容も想定しています」(安藤担当課長)
「虎ノ門二丁目地区は、汐見坂をはじめとする坂が点在するため高低差があり、交通量の多い環状2号線も通っています。そこで、来街者に、安全かつ快適に回遊してもらう施策として、空中に歩行者ネットワーク(歩道用デッキ)を造る計画です。これは、今回の地区内だけではなく、周辺地区のネットワーク整備も併せて行うものになります」(安藤担当課長)


このような大規模な再開発を、ステークホルダーの意見を調整しつつ安全に計画通り進めていく役割は、都市整備に長い経験と豊富な知見を持つURだから果たせたといえる。
緑道や広場、緑地の整備も含めて劇的に変化していく虎ノ門二丁目地区をぜひ訪れていただきたい。
そこには世界でも最先端と誇れる街が出現している。